阪神藤川球児監督(45)が17日、MVP該当者なしで秋季高知・安芸キャンプを打ち上げた。「(MVPは)いないでしょ。ハハ…

阪神藤川球児監督(45)が17日、MVP該当者なしで秋季高知・安芸キャンプを打ち上げた。「(MVPは)いないでしょ。ハハハ」。それは参加した若虎への強烈なゲキだった。「いないってことは、(1軍の)チーム状態がいいってこと。どうしても力を借りなければいけない選手がいないってこと」。秋季キャンプに不参加だった佐藤輝や森下、大山、村上、才木ら、ぶっちぎりのリーグ制覇を引っ張った1軍メンバーとの力の差は大きい。藤川監督は日本シリーズ敗退から休む間もなく合流し、直接指導も施した。戦力の底上げを意識したが「ここにいる選手たちが、来年かなりやれる手応えは全くない状況」とストレートに物足りなさを表現した。

キャンプでは実戦の場として、中日と練習試合を2戦行った。今季1軍で経験を積んだ小幡や高寺らも出場したが、目に留まった選手はいなかったという。「ここに来ているメンバーはこれから2カ月半。(来年)2月まで、非常に厳しい鍛錬を積んで、大幅なレベルアップが必要となりますね」。

連覇を狙う来季へ残留が決まった近本や佐藤輝、森下ら主力を脅かす若手の台頭は課題。オフ期間も重要になる。来春の沖縄・宜野座キャンプに向け、「厳しい練習を自分に課して、3倍、4倍の別人が来たなという状態になってもらえれば」と奮起を促した。

藤川監督は自身の今後を「冬眠」と宣言。球団初のリーグ連覇に臨む来季へ、別人のように大変身した若虎登場を待つ。【伊東大介】

▽阪神和田ヘッドコーチ 今年の若手を見ながら、来季のことも含めて本当に(藤川監督と)いろんな話ができたんで。それを来年、実践していくだけなんで。このオフの間にいろんなことを考えながら。2月1日に備えたいと思います。

▽阪神平田2軍監督 (今年は)若い選手が1軍に行くことが多かった。いろいろな経験をさせてもらえたと思う。ただ、経験だけで終わらないように。来年またランクを上げなきゃいけないよね。

▽阪神伊原(11日からキャンプに参加しブルペン投球は行わずにトレーニング) しっかり体を追い込んだ。1年目は良かったです。1月は(ヤクルト)大西さんとするかもしれない。

▽阪神前川 1年間、数字が残らずにキャンプに来た。メンタル的にも、練習をしながら見つめ直せたので、そこはよかった。体の使い方を勉強します。

▽阪神小幡 来シーズンに向けてやるべきことが見つかったのでよかった。オフに向けての取り組みの方法もしっかりまとめられた。自分で考えながらやっていきたいと思っています。

▽阪神藤田 課題も出ましたし、怪我なく、この3週間をやりきれたことはよかった。(藤川監督に)言われたことをしっかりと克服していきたいです。

▽阪神井坪 1年間しっかり戦える体力づくりを主にやりました。守備走塁は弱点ですが、スピードも上がってきて、送球が安定してくるようになりました。

▽阪神早川(ブルペンで合計753球)他の1軍で投げている投手に比べたら、調子に波があり、安定感が足りないなと改めて感じました。そこをなくして、1年間戦力になれるようなピッチャーになりたいです。

▽阪神百崎(来春キャンプの宜野座組入りが内定)それはうれしいことですけど。まだまだ1軍のレベルには足りない、頑張らないといけないなと思います。

▽阪神石黒(ブルペンで合計976球の投げ込み)変化球と真っすぐの質を課題に、球数もそれなりに投げることができた。充実したキャンプになったと思います。

▽阪神今朝丸 (収穫は)ドリスから教えてもらったスライダーと、フォークが一番です。オフシーズンにもまた練習できるので、本当に感謝しています。

▽阪神嶋村 自分の課題をつぶしていけた、いい期間でした。もっと改善できるところはあると思う。それも見つかったし、そういう意味でもよかったです。

▽阪神工藤 すごく充実していました。たくさんヒントをもらったので。これからの期間が一番大事になると思います。