阪神中野拓夢内野手(29)が虎のスターたちの系譜を受け継ぐ。不動のセカンドとしてチームを率いる中野が来季から背番号7をつ…

阪神中野拓夢内野手(29)が虎のスターたちの系譜を受け継ぐ。不動のセカンドとしてチームを率いる中野が来季から背番号7をつける見込みであることが16日、分かった。20年ドラフト6位での入団後は背番号51で5年間プレー。自身2度目のリーグ優勝に貢献したが、あえて変化を選んだ。背番号7は幼少期から憧れを抱いたプレーヤーの番号でもあった。球団史上初のリーグ連覇へ。来季にかける思いを語った。

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中野の顔に覚悟がにじみ出た。この日は甲子園を訪れて背番号7をつける経緯、意図を自身の口で説明。その言葉は次第に熱を帯びていった。

「歴代つけてきた方々がすごいのも分かっている。かといってそこを目指すわけではなく自分の色もある。自分らしく自分のプレーをしていきながら、改めて7という数字が似合うような選手になっていきたい」

これまでプロ入り以来、背番号51をつけて5年間プレーした。計699試合に出場し、通算98盗塁、打率2割7分、22年までは主に遊撃で23年からは二塁でゴールデングラブ賞2度。22年8月18日から今年のレギュラーシーズン終了時まで461試合連続で出場し、走攻守に活躍を継続してきた。球団側に1ケタ番号に変更可能か相談。許可を得たという。

「侍ジャパンで7をつけていたのもありますし、変えるとしたらこのタイミングなのかなと。自分の中で1ケタの番号をつけてやってみたいなというのもあった」

球団では真弓、今岡、西岡、糸井ら多くの名選手が背負ってきた番号だ。侍ジャパン以外で「つけたことはない」と話すが、23年WBCでも背負った番号で中野にとっては特別。山形出身でありながら幼少期から大の阪神ファンだった中野が初めて買ってもらったユニホームは、阪神今岡の背番号7のタテジマ。思い入れが強いことには間違いない。

選手会長2年目の今季は3年連続の全試合出場を果たし、打率リーグ5位の2割8分2厘、19盗塁。2度目のゴールデン・グラブ賞も獲得し、選手会長としてリーグ優勝に貢献した。変わらない選択もある。だが、中野は変化を選択。「番号を変えてうまくいかなかったり成績が落ちたと言われることも嫌。来年がすごく大事な年。心機一転頑張る」と力を込めた。球団としては2リーグ制初となるリーグ連覇に向けて、来季は新たな番号を背負って躍動する。【塚本光】

◆阪神の背番号7 レジェンド級の名だたる選手が多い。クラウンからトレード移籍の真弓は83年首位打者、85年は1番打者ながら34本塁打で日本一に貢献した。20、21世紀をまたいで背負った今岡は03年首位打者、05年打点王と2度のリーグ優勝の原動力になった。16年オフにオリックスからFA加入した糸井は現役引退の22年まで6年間プレー。直近では助っ人外国人では初めてノイジーがつけた。

○…阪神大竹は背番号「49」から「21」への変更が検討されている。大竹は22年12月に現役ドラフトでソフトバンクから阪神に移籍。昨季まで2年連続で2ケタ勝利を挙げ、今年も9勝4敗、防御率2・85の成績を残していた。大竹にとって「21」は、ソフトバンク時代から尊敬し自主トレをともにしていた、元ソフトバンク和田毅氏が背負っていた番号でもある。