<明治神宮大会>◇16日◇高校の部2回戦2試合、大学の部2回戦2試合◇神宮高校の部は九州国際大付(九州・福岡)が逆転サヨ…

<明治神宮大会>◇16日◇高校の部2回戦2試合、大学の部2回戦2試合◇神宮

高校の部は九州国際大付(九州・福岡)が逆転サヨナラで優勝候補の山梨学院(関東・山梨)を下し、4強入り。プロ注目スラッガー牟礼翔外野手(2年)が全国デビュー戦でバックスクリーン弾を放つなど貢献した。

   ◇   ◇   ◇

プロ注目スラッガーが全国デビュー戦で鮮烈なバックスクリーン弾を放った。牟礼が外角低めのスライダーにコンタクト。バックスクリーンへと吸い込まれると、右人さし指を突き出した。

「あまり会心の当たりではなかったですけど、いい感じに飛んで風に乗ってくれた。センター方向に打てたのが良かった」

「1番中堅」で先発出場。3-2の7回先頭から高校通算24号を放つと、4-5の9回1死からは山梨学院・菰田から左前打。「いい感じにレフトに落ちたので良かった」と、プロ注目対決を制する一打でサヨナラ勝ちをお膳立てした。

幼少期からさまざまなスポーツを経験した。小学1年時の誕生日プレゼントで母広美さんから「いいところ連れて行くぞ」と、ソフトボールの体験に連れて行ってもらった。小学5年から始めた陸上では100メートル走で全国大会に進出し、中学1年では12秒55を記録した。中学ではソフトボール部に所属しつつ学外の野球チームでプレーした。

楽天やヤクルトでプレーした楠城祐介監督(41)も驚くほどの身体能力を持つ。「アメフトをやっても成功するようなポテンシャル。肘の柔らかさというか、バットの軌道と柔らかいバッティングができる。すごい体ですよ」と目を見張る。本人もパワーの源を「朝卵4個食ってるので」と笑いながら話す。

今後の進路について牟礼は「プロ1本で考えています」ときっぱり。バックネット裏からは阪神やDeNAをはじめ、幹部クラスのスカウトもチェックするなど注目を集める存在だ。

23年秋から指揮を執る楠城監督にも全国初采配で勝利をプレゼント。明治神宮大会に初出場した21年以来のベスト4進出を決めた。次戦は古城、赤間ら強打者のいる花巻東。「いいバッターがそろっているので負けないようにやっていきたい」。全国でさらに存在感を大きくする。【林亮佑】

◆牟礼翔(むれ・しょう)2008年(平20)7月14日生まれ、岡山市出身。陵南小1年からソフトボールを始め、吉備中では陸上部に所属しながら野球はヤンキース岡山Youngでプレー。九州国際大付では1年春の北九州市長杯で初ベンチ入り。目標とするプロ選手はカブス鈴木誠也。50メートル走6秒0。遠投105メートル。180センチ、85キロ。右投げ右打ち。