「ONE」(16日、有明アリーナ) メインイベントでフェザー級キックボクシング世界王座統一戦が行われ、暫定王者の野杁正…

 「ONE」(16日、有明アリーナ)

 メインイベントでフェザー級キックボクシング世界王座統一戦が行われ、暫定王者の野杁正明(32)は正規王者スーパーボン(35)=タイ=に判定0-3で敗れ、王座統一はならなかった。最終5回まで互いに死力を尽くした打ち合いとなったが、僅差で敗れた野杁は「スーパーボン選手が強くて僕が弱かった。それだけですね。王者としての意地はすごく感じた。強くてうまかった」とすがすがしく受け止め、判定についても「(納得してる?)はい。勝っていたと胸を張って言えない。今日は僕が負けた。受け入れている」と言い切った。

 悔しい敗戦後にもかかわらず気丈に振る舞っていた野杁だったが、この日復活KO勝利を挙げ、次戦での引退を電撃発表した武尊(34)の話題になると、目に涙を浮かべて声を詰まらせた。

 尊敬する先輩は来年4月29日のONE日本大会が現役ラストマッチになる可能性が高いが、「武尊君と(ONEの同大会で)一緒に勝ててないので、もちろん一緒に出て勝ちたい」と思いを吐露。自身は武尊の背中を追いかけてONEに上がっているだけに、「僕がこの舞台を選んだのも武尊君がいるからなので、一緒の大会に出て一緒に勝つことが目標だったし、一緒にベルトを巻くという思いでここまできたが、僕は(王座陥落で)ゼロからのスタートになるので(もう叶わない)。一緒に出たい気持ちもあれば、(最後に)武尊君のサポートに回りたい気持ちももちろんある。そこはわからないですね」と複雑な心情を明かした。

 野杁は3月の日本大会でタワンチャイ・PK・センチャイ(タイ)を下馬評を覆して3回KOで下し、暫定王座を獲得。絶対王者との統一戦に挑んだが、惜しくも敗れた。「日本大会のメインを任せてくれて、本当にうれしかった。期待に応えられなくてすみませんっていう気持ち。次、もっともっと必ず強くなって世界一を取れるように証明したい」と再起を誓った。