「天皇杯・準決勝、町田2-0FC東京」(16日、国立競技場) 町田が延長戦までもつれた熱戦を制し、クラブ初の決勝に進ん…

 「天皇杯・準決勝、町田2-0FC東京」(16日、国立競技場)

 町田が延長戦までもつれた熱戦を制し、クラブ初の決勝に進んだ。FW相馬勇紀(28)は延長後半4分に2点目をアシストし、勝利に貢献。日本代表活動期間とかぶる中での一戦。複雑な思いがあったことも想像されるが「森保さんの発言を見たんですけど、僕らを逆にこういった大会に集中させてくれるような発言だった」と感謝した。

 相馬は10月の代表活動に招集されていたが、現在行われている活動は選外。森保監督は、天皇杯準決勝の参加クラブから招集しない方向性を明かしていた。W杯本大会まで残り少ない中、アピールの機会が失われてしまうということ。メンバー発表会見で、森保監督は選手の気持ちを代弁しつつ「未来に向けて招集すべき選手、招集したい選手を招集できないということもあったが、クラブと代表のお互いの関係性と、日本サッカーの文化を発展させていく上でもいろいろと一緒に考えていけるすごくいい機会」などと話していた。

 相馬は「この大会がなかったとして、(代表に)呼ばれてたか、僕らは分からないんですけど」と前置きした上で、森保監督の言葉が迷いを振り払うきっかけにもなったという。「なんとしても、本当にこのクラブでタイトルを取りたいって思っていた。ファイナルに行けて本当に良かった」と喜んだ。

 また、取材中に相馬の後ろを通ったFC東京のDF長友佑都(39)とあいさつする一幕も。代表活動の裏で、共に天皇杯に出場した2人。握手をかわすと、長友から「優勝しろよお前」と熱いエール。相馬も「ありがとうございます。まかせてください」と力強く答えていた。

 試合は両チーム集中した守りで決定機を与えない展開。0-0のまま延長戦に突入すると、延長前半13分にMF林幸多郎が値千金の先制ゴール。林はこの日25歳の誕生日でうれしいバースデーゴールとなった。さらに後半4分に途中出場のFW呉世勲が加点し突き放した。