「ONE」(16日、有明アリーナ) MMAライト級マッチが行われ、元ONE同級王者の青木真也(42)は、“ジャパニーズ…

 「ONE」(16日、有明アリーナ)

 MMAライト級マッチが行われ、元ONE同級王者の青木真也(42)は、“ジャパニーズ・ビースト”手塚裕之(35)に2回28秒、パウンドによるレフェリーストップでTKO負けした。8カ月ぶりのMMAで黒星を喫したが、試合後は「“いい試合”だったんじゃないの?最高だったと思うよ。結果も含めて、良かったんじゃないの」と晴れやかに胸を張り、「なんの後悔もない。別に(MMAを)辞めるとも言わない。最高のプロレスができたと思う。20年格闘技をやって、10年プロレスをやって、(その集大成で)最高のプロレスができたと思うよ。本当に」と持論を展開した。

 日本人対決で屈した。青木は1回にタックルでテイクダウンを取り、その後もバックを取ってグラウンドに持ち込むと、脚で相手の脚をロックしての変型ネックロック(ツイスター)で攻める場面も見せたが、途中で解けてしまった。2回に入ると、一気にギアを上げてきた手塚の右ボディーフックを被弾し、前のめりに動きが止まったところでパウンド、膝を食らってレフェリーストップとなった。

 TKO負けとなったが、「練習がどうとか技術がどうとかいう話じゃなく『もういいや』と思っちゃったっすね。もうこうなった時点で格闘技選手じゃないよな」と自虐。試合前から手塚に対しては「やる意味がない」と肩透かしを続けていたが、前日のフェイスオフの際には前にガン詰めして挑発してくる相手を不意にいなして投げる場面もあった。「(それも含めて)いい試合だっただろって。(相手が)誰でも試合になっちゃうんだなって。俺がやれば。これを聞いている格闘技ファンとかマスコミには伝わらないと思うけど、俺が何を言っているか、よく考えてください。(乱闘劇は)仕事したでしょ。あれでPPV勝った奴もいるだろうし。そういうことだよ。最後になんだかんだで仕事しちゃうんだよ。これが強さだから。勘違いしてもらっちゃ困るんだよ。競技で勝つとか、勝ち負けを決めるとか、そういうことじゃないんだよ。20年やってきだけの価値はある、金を払う価値はあるんじゃないの」と自賛した。

 青木は3月のONE日本大会でエドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)に一本勝ちし、試合後はリング上にグローブを置いてMMA引退も示唆した。ONEとの専属契約も終わったものの、今回はワンマッチ契約で再びONEのリングに上がった。勝利を飾ることはできなかったが、試合直後にはセコンドについたケンドー・カシン、野村駿太から「もう一丁」とハッパを掛けられたという。今後のMMA出場については「ギャラ次第。今回と同じで(条件が)よかったらやってやるよ」と煙幕を張り、5分ちょうどで会見を切り上げて帰途に就いた。