2025Jユース杯・第31回Jリーグユース選手権大会(日刊スポーツ後援)の決勝は16日午後1時、ヤマハスタジアムで、サン…

2025Jユース杯・第31回Jリーグユース選手権大会(日刊スポーツ後援)の決勝は16日午後1時、ヤマハスタジアムで、サンフレッチェ広島と鹿島アントラーズのカードでキックオフされる。

日本一を決めるにふさわしい、決勝はJリーグ屈指の名門クラブ対決が実現。優勝は19年ぶりを狙う広島か、11年ぶりを目指す鹿島か。いずれも勝てば、G大阪に並ぶ大会最多4度目の頂点になる。

両クラブによる決勝は04年大会以来、2度目。当時はスコアレスのまま、鹿島がPK戦を制した。

今回はともに、U-17日本代表に主力を派遣しているが、選手層は厚い。2年連続で決勝に臨む広島は、昨年の準優勝を経験した土井川遥人と宗田椛生(ともに18)の両FWが、ここまで4得点。2列目から鋭く飛び出す6得点のMF太田大翔(17)を含め、組織力をベースに個人技で勝負できるタレントが多い。

中でも注目は昨年から際立つ存在だったMF原湊士(みなと、17)。左ウイングが主戦場で、ドリブルで仕掛けて攻撃の起点になれる。ゴール前に進入し、他の攻撃陣の決定機も演出する姿は、トップチームで活躍する東俊希に近い潜在能力がある。最終ラインを統率する主将DF林詢大(18)は「昨年は決勝で負けて、悔しい思いをした。絶対に勝って日本一になりたい」の言葉は熱い。

鹿島は高校1、2年のメンバーが主体。得点感覚の優れた7ゴールのMF滝澤周生は、あと1点で得点ランキング首位に並ぶ。5得点のFW石渡智也、4得点FW高木瑛人といずれも16歳で、パスを配球するMF大貫琉偉(17)との連係に磨きがかかる。

さらに特筆すべきは、試合運びのうまさ。延長PKを戦い抜いた鳥栖との準決勝は、一時逆転されるも時間の経過ともに、再び敵陣に攻め込み、勝ち越しも目の前に迫っていた。この大会で決勝に進んだ過去3度、全て優勝という事実は偶然ではないだろう。

主将GK新垣祥大(17)が「きつい練習をしているんで絶対、相手には走り負けない。決勝では自分たちがやってきたサッカーを体現し、広島を圧倒できればいい」と決意は固い。今夏のクラブユース選手権で初優勝した勢いもある。

ともに「オリジナル10」と呼ばれる、93年当初からJリーグに参加。今季のトップチームは広島がルヴァン杯を制し、鹿島はJ1優勝へ首位を走る。攻撃的なプレースタイルは、アカデミーもまったく同じ。ゴールの奪い合いが予想される決勝は、Jリーグの未来を映す一戦になりそうだ。