米大リーグのMVP(最優秀選手賞)が13日(日本時間14日)に発表され、ドジャースの大谷翔平投手(31)が満票で3年連…
米大リーグのMVP(最優秀選手賞)が13日(日本時間14日)に発表され、ドジャースの大谷翔平投手(31)が満票で3年連続4度目の受賞を果たした。選出回数は通算762本塁打などのメジャー記録を持つバリー・ボンズの7度に次いで歴代単独2位。この日は同機構主催イベント「MLBアワード」も開催され、最も優れた打者に与えられる「ハンク・アーロン賞」、リーグ最高指名打者賞「エドガー・マルティネス賞」、ファン投票で選ぶ「オールMLBファーストチーム」にも選出され、1日で4冠の受賞ラッシュとなった。
受賞が決まった瞬間、ソファに座っていた大谷は笑みを浮かべて小さく手をたたいた。隣にいた真美子夫人を抱き寄せると、2人の間に横たわる愛犬デコピンに喜びのキスをした。
昨年に続き、大リーグ専門局「MLBネットワーク」の受賞番組に夫婦でリモート出演。「すごく、非常に光栄です」。愛犬の毛色に合わせ、茶色基調のファッションで登場した2人が幸せいっぱいの笑顔を見せた。
自身の3年連続本塁打王を阻止し、打点と合わせ2冠に輝いたシュワバー(フィリーズ)との一騎打ちが予想された記者投票。しかし、ふたを開けてみれば、“大谷一択”。「満票で評価してもらったというのも僕としてはすごく特別なこと。記者の皆さんに感謝したい」と言った。
東京で幕を開けたシーズンは万全ではなかった。昨年のワールドシリーズ(WS)で左肩関節唇断裂の大けがを負い、オフに手術を受けた患部に違和感があった。「最初の方は左肩が回りづらかった。そこに不安があった」と振り返る。
6月には2度目の右肘手術を乗り越えて投手復帰。14試合の投打同時出場を含め、1番打者でチームをけん引し、自己&球団新記録の55本塁打。出塁率を長打率を合わせて強打者を示す指標のOPS1・014、勝利への貢献度を示す指標のWAR9・4はリーグ最高だった。
4月に第1子の長女が誕生し、球場入り前の入浴は日課の一つになった。パパでもMVP。「生活リズムは当然、変わりますけど、家族のサポートもあって極力グラウンドに集中できる環境もあった」。番組中にはまな娘と思われる赤ちゃんの泣き声がマイクで拾われる場面もあった。
チームとしては球団初のWS連覇を達成。「ワールドシリーズで勝ったのがまず一番。最後の締めくくりとして、自分自身がMVPを取れたのは非常に大きなこと。全ての人に感謝したい」。2年連続WS制覇&MVPは1975、76年のモーガン(レッズ)以来49年ぶり史上2人目の偉業だった。
4日の優勝パレードでは、ファンを前に3連覇を宣言した。「自分がいいシーズンを送れれば、チームは勝てるということ。けがなく1年間しっかりと自分の仕事をやった先に何回も受賞できればいいんじゃないかなと思う」。5度目のMVPと日本投手初のサイ・ヤング賞。完全復活を遂げた二刀流は夢を、夢で終わらせない。