<大相撲九州場所>◇6日目◇14日◇福岡国際センター序二段の取組で、力士が勝ち名乗りを受けた後に勝敗が変わる珍しい場面が…
<大相撲九州場所>◇6日目◇14日◇福岡国際センター
序二段の取組で、力士が勝ち名乗りを受けた後に勝敗が変わる珍しい場面があった。
照寶(尾上)-里松永(西岩)戦でのこと。照寶が寄り倒しで勝ち、土俵上で勝ち名乗りを受けた。場内アナウンスが「寄り倒して照寶の勝ち」と発表するとほぼ同時に、立川審判長(元関脇土佐ノ海)が右手を挙げて物言い。協議の末、照寶の右足が先に出ており、勇み足で里松永の勝ちになった。
立川審判長は「ビデオ係の武隈親方が連絡をくれました。助かりました。見落としをなくすためのビデオですから、間違えるよりも数段いい。武隈親方のナイスプレーです」と、武隈親方(元大関豪栄道)に感謝した。正面に座っている立川審判長に向かって力士が落ちてきたため、照寶の右足は見えていなかったという。
ビデオ係を務めた武隈親方は「決まり手の碧山(岩友親方)と見ていて、2人で『ええっ?』ってなったので連絡しました」と話した。
一般的には、勝ち名乗りを受けた時点で勝敗が確定とみられるが、ビデオ係の的確な判断で正しい判定につなげた。
勝った里松永は「花道で礼をした後、呼び出しさんから『物言いがついてるよ』と言われました。勇み足かなと思いました。何もできずに内容が悪いので、うれしくはないです」と、拾った1勝を受け止めた。