広島の坂倉将吾捕手(27)が、デイリースポーツ読者に本音を明かす一人語り『野球は楽しく』。第4回は打撃面の新たな挑戦に…

 広島の坂倉将吾捕手(27)が、デイリースポーツ読者に本音を明かす一人語り『野球は楽しく』。第4回は打撃面の新たな挑戦について。今月1日から参加中の秋季キャンプでは自身の打撃を見つめ直し、「体の回転で打つ」感覚を体に染みこませている。今季の打撃を振り返るとともに、新たな打撃改良に着手した経緯を明かした。

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 デイリースポーツ読者の皆さん、坂倉将吾です。今回のテーマは打撃面の新たな取り組みについてです。秋季キャンプ初日に、自分の打撃をガラッと変えると話しました。具体的には構えから打ちにいくまでの力の出し方の部分で効率良く、なおかつ無駄な力みがないように取り組んでいます。

 言葉で表現するなら「回転」で打つような感覚ですかね。体が回転している中にボールが勝手に入ってくるようなイメージ。今はその打ち方でボールが前に飛んでも飛ばなくても、深く考え過ぎないようにしています。どちらかと言うとボールを追いかけてスイングしてしまうので。そうではなく練習レベルであれば、自分のスイングの軌道の中にボールが勝手にある、打席で素振りをするようなイメージでいきたいなと。

 手でバットを振るよりは体を回した方がバットも速く振れますし、他球団の好打者はその形を打席内で表現できている印象があります。今年で言えば阪神の佐藤輝選手や森下選手がそうですね。新たな取り組みを習得して確実性の向上と、長打力アップを求めてトライしていくつもりです。

 回転を意識した打撃に挑戦したい考えは過去にもありました。しかし脇腹のケガなどで、少し避けていたこともあって。これまでの自分の打撃でごまかしていたつもりはないのですが、小手先だけではやっぱり打てないなと気付いたので。大きく全身を使うのではなく、全身をうまく使って打つ。今季に関しては結果も残せていませんし、やっぱり何か変えなきゃいけないなと。

 来季の開幕までは時間はあります。今やろうとしていることは、おそらくいい方向に行くと思っているので従来の形に戻すのではなく、今やっている中でいいモノを見つけていきたいなという考えでいます。

 自分自身、今年の打撃に関しては力不足を痛感させられました。うまくいかずに考え過ぎたことや、逆にうまくやろうとし過ぎて変にボールを見送ったり。3月上旬に右手中指を骨折して1軍に初昇格したのは4月下旬でした。

「できるだろうではできない」

 心のどこかで「やれるだろう」という思いがありました。しかし「できるだろうでは、できないんだな」と思い知らされたのも事実です。それだけプロ野球という高いレベルで野球をやらせてもらえている。それを改めて実感したシーズンでもありました。

 来季がプロ10年目になります。打撃に関しては常々、3割20本塁打が目標で、いくら投高打低といえども、その数字は下げてはいけないというのが僕の考えです。キャンプメンバーは若手も多く帯同しています。自分のことを見られてないとは思っていませんし、かといって見てほしいとも思いません。

 僕が今やろうとしていることを一生懸命やることが一番ですし、それを見て何か思ってくれる人がいればいい。周りを気にした行動ではなく、自分の取り組みに集中する。それは秋のキャンプでの一つの目標なので、苦しくても頑張りたいなと思っています。

 ◆秋季キャンプは絶好調 坂倉は3年ぶりの秋季キャンプ参加。7日の紅白戦に紅組の「5番・捕手」でフル出場して3打数1安打。10日の侍ジャパンとの練習試合には「3番・指名打者」で先発出場して3打数2安打3打点。2打席連続適時打をマークし、存在感を発揮した。12日の紅白戦は紅組の「5番・捕手」でフル出場。5打数4安打3打点とコンスタントに快音を響かせている。