プロ野球の発展に寄与した野球人を表彰する第49回「正力松太郎賞」の選考委員会が13日、都内で開かれ、ソフトバンク小久保裕…
プロ野球の発展に寄与した野球人を表彰する第49回「正力松太郎賞」の選考委員会が13日、都内で開かれ、ソフトバンク小久保裕紀監督(54)が初受賞した。就任2年目の今季はリーグ連覇と5年ぶり日本一を達成。故障者続出を乗り越え、若手を積極的に起用しながら白星を重ねた采配が評価された。選考委員からも異論は出ず、全会一致での決定。来季は福岡移転後初のリーグ3連覇に挑む。
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日本一軍団の将、小久保監督に吉報が届いた。日本シリーズの甲子園胴上げから2週間後のこの日、「正力松太郎賞」の受賞が決定。就任2年目で初受賞となり、球団広報を通じて「このたびは名誉ある正力松太郎賞を受賞させていただくことを大変光栄に思います。チームを代表して、すべての関係者、ファンの皆さまに心から感謝申し上げます」とコメントした。
同賞はプロ野球の発展に寄与した野球人に贈られる。今季の小久保監督はシーズン序盤から故障者続出など頭を悩ませたが、柳町、野村、杉山ら20代の選手を積極的に起用してリーグ連覇と5年ぶりの日本一を達成した。座長の王貞治氏(85)も「固定観念にとらわれず、選手の能力を最大限に引き出した。若い選手を思い切って使い、見事に応えさせた」と賛辞。選考委員からも異論は出ず、全会一致での決定となった。
全パ監督を務めた7月のオールスターでは「球界のために頑張ろう」とナインに訓示した。「初めて選ばれた選手はうれしいだろうけど、何回も出ていたらモチベーションは『球界のために』というところになる。思いは球界のために」。全パコーチを務めた日本ハム新庄監督、ロッテ吉井前監督とともにお祭り舞台を盛り上げた。阪神と戦った日本シリーズでも気概は同じ。試合日程が被ったメジャーのワールドシリーズに負けない熱い戦いを見せると誓い、初戦黒星スタートも一気に4連勝で頂点に立った。
小久保監督には賞金500万円とメダルが贈られる。「この賞は、福岡ソフトバンクホークスという組織全体の努力の結晶です。これからも福岡の皆さま、そして全国のホークスファンに誇りに思っていただけるチームづくりを続けてまいります」。来季は福岡移転後初のリーグ3連覇がかかる。常勝軍団を復活させた指揮官が、さらなる高みを目指してタクトを振る。【只松憲】