「エイブル トライアウト 2025」(12日、マツダスタジアム) 38選手が参加し、シート打撃の実戦形式でプレーをアピ…

 「エイブル トライアウト 2025」(12日、マツダスタジアム)

 38選手が参加し、シート打撃の実戦形式でプレーをアピールした。

 今年から日本プロ野球選手会の主催となったが、ヤクルト・青木宣親GM特別補佐、日本ハム・木田優夫GM代行ら各チームの編成担当なども視察。5000人近いファンも客席で声援を送った。

 元巨人2軍投手コーチでデイリースポーツ評論家・関本四十四氏は全選手のプレーを確認し、「最も印象に残ったのは宮森だな」と楽天を戦力外となった右腕に言及。最速151キロをマークしたが、「150キロを何球も投げていたし、スライダーが外れてボールにはなったが、オッと思わせる軌道が1、2球あった」と振り返った。

 宮森は193センチの大型右腕で、通算69試合に登板。今季は1軍で10登板、防御率10・50だった。関本氏は投球フォームにも着目し、「インコースにツーシームをまじえることができれば面白い。あの投げ方なら曲がる。まだ、27歳ならどこかにかかるんじゃないか」と語った。

 2人目は前日本ハム・福田の名前を挙げた。23年には29登板で防御率0・00だった左腕。松山、中村健から2三振を奪い、「真っすぐは142、3キロだったが、スライダー、チェンジアップもある。NPBはまだワンポイントが許されているから、左の中継ぎが不足しているところは検討するかもしれない」とした。

 前阪神で、21年度ドラフト1位の森木にも言及。最速149キロだったが、「体もいいし、やっぱりいい球を持っているよな。覚えたばかりというツーシームを投げていたが、ピッチャーは球種をひとつ覚えるとガラッと風景が変わる選手というのはいる」と、伸びしろに期待。「シーズン後半、つかみかけている選手がいる場合もある。そういう点ではトライアウトをやる意義がある。森木がそこに当てはまるかは分からないが、まだ22歳だし、育成選手として見たらまだ可能性はあるかもしれない」と語った。

 一方、野手に関しては厳しい見方を下した。第1打席で本塁打を放った前西武・渡部について、「いい面と悪い面が出た。最初に持ち味の本塁打が出たが、その後の打席でとんでもないボール球を振っていた。変化球の対応だよな。あとは体の切れの部分を各球団がどう見るか」と指摘。40歳ながら3安打で健在ぶりを示した前広島・松山については「ローボールヒッターとしての技術はピカイチ。ただ、来年41歳という年齢を他球団がどう見るか。代打専門で、どこかに引っかかるかどうかだろう」と語った。

 トライアウト受験者のNPB復帰は6%とも言われる狭き門。今オフはチャンスをつかめる選手が出るか、注目される。