仙台育英高校(宮城)は12日、公式サイトで、同校サッカー部がいじめ事案によって12月28日開幕の全国高校サッカー選手権大…
仙台育英高校(宮城)は12日、公式サイトで、同校サッカー部がいじめ事案によって12月28日開幕の全国高校サッカー選手権大会への出場を辞退すると発表した。
同校サッカー部は今月2日、全国選手権宮城大会で優勝し、2年ぶり38回目の本大会出場権を獲得した。しかし4日に地元の一部メディアが、「仙台育英サッカー部で『いじめ重大事態』全国大会出場は未定 生徒が暴言受け抑うつ症状に」と報道。同校は調査に乗り出し、「過去に『いじり』と呼ばれる不適切な言動が繰り返されていたことが判明」などと明かしていた。
今回学校側は「体育会サッカー部『いじめ重大事態』について」とする文書を発表した。調査の結果、「必ずしも一部の生徒だけに限られたいじめ事案ではなく、サッカー部全体、顧問団ならびに生徒の人権意識が不十分なために、『構造的いじめ』を生じさせ、これを見逃してしまう体制であったことが明らかになりました」と結論づけた。
県大会準優勝は聖和学園だが、県サッカー協会によると現状は代替出場については未定で今後は大会主催者と検討を進めていく。
仙台育英は今後について「本学園は2025年12月末まで顧問団への人権意識の適切な理解を深める研修と、その顧問団が生徒一人ひとりと丁寧な二者面談を通じて人権意識を指導する時間を設けるために、12月末まで体育会サッカー部の対外活動停止(12月28日から開催される第104回全国高校サッカー選手権大会を含む12月末までの各大会への出場辞退および対外練習試合の中止)を行います。これまで体育会サッカー部は活動を停止しておりましたが、今後はこの二者面談と併せて学内に限った練習を開始いたします」とした。
また三者面談を通じて、「構造的いじめ」についてサッカー部生徒と保護者に説明を行っているという。「本学園は教育機関としての責任を深く自覚し、被害に遭った生徒および保護者に深くお詫び申し上げるとともに、当該生徒が安心・安全な学校生活を送ることができるよう、引き続き取り組んで参ります。当該生徒がかつて好きであったサッカーという競技を再び楽しめる日が来るよう努めて参ります。また、人権侵害を防止する観点のもとで生徒一人ひとりの尊厳を守り、安全で健全な学園生活を確保することを最優先課題とし、信頼回復に全力を尽くして参ります」と伝えた。