「広島秋季キャンプ」(11日、日南) 広島・新井貴浩監督(48)が11日、佐々木泰内野手(22)に“駆け引きのススメ”…

 「広島秋季キャンプ」(11日、日南)

 広島・新井貴浩監督(48)が11日、佐々木泰内野手(22)に“駆け引きのススメ”を説いた。若鯉は野球日本代表・侍ジャパンの一員として10日の練習試合・広島戦にフル出場。タイブレークを実施した延長十回の1死三塁で遊ゴロに倒れた。指揮官はその場面の心境を問い、状況に応じて配球を読む必要性を助言。技術面以外の側面からも成長を促していく。

 高い打撃技術を持っているからこそ、次なるステージに進んでほしい。屋内練習場で行われたフリー打撃の合間。新井監督は佐々木と数分間、話し込んでいた。指揮官は「フォーム的な話はしていない。10日の最終打席、どう考えていた?というのをちょっと聞いた」と内容を明かした。

 佐々木は侍ジャパンの一員として10日の練習試合・広島戦に「9番・一塁」でフル出場。五回に左越え二塁打を放ち、6打数1安打の“代表デビュー”となった。ただ、新井監督は快音ではなく最終打席の凡退に目を向けた。

 タイブレークの延長十回1死三塁で広島・高橋と対戦。初球の内角カットボールに反応すると、打球は強烈なライナーで左翼方向に飛んだ。続く2球目は外角フォークを引っかけて遊ゴロ。この過程に「内角カットボールに詰まらず、捉えて引っ張ってファウル。自分が捕手なら、もう1球内角は怖くて(サインで)出さない。だったら、いずれにせよ外角(が来る)。それが駆け引きだよと」と説明した。

 相手捕手はファウルの方向や打球の強さを観察して、次の配球を組み立てる。新井監督は前述の場面では次の球が直球か変化球にかかわらず、コースを外角に絞って2球目に対応することが肝要だと強調した。

 さらに「そういうつもりで2球目を打ちに入っていれば、ストライクからボールになるフォークでも、たぶん三遊間を抜けてヒットになっていると思う。駆け引きの部分と自分の気持ちの持ち方(について教えた)」と頭の整理の仕方で好結果につながると助言した。

 佐々木本人は「何とか外野に持っていきたい考えがあった」と打席での意識を振り返り「フェニックスから得点圏での打席の内容を求めてやっているが、10日はダメなパターンだった。打席内で得点圏の配球、捕手の攻め方を頭で整理できる余裕をつくっていけたら」と、1球ごとに取捨選択しながら勝負していくことに意欲を示した。

 15日からは再び日本代表のユニホームを着て韓国との強化試合に臨む。「自分の感覚も踏まえ、相手の立場になりながらやっていきたい」と佐々木。打者としての引き出しも増やしつつ、強打者へと成長していく。