プロ野球のFA権行使の申請期間が11日、終了し、楽天の則本昂大投手(34)、ソフトバンクの東浜巨投手(35)らが手続き…

 プロ野球のFA権行使の申請期間が11日、終了し、楽天の則本昂大投手(34)、ソフトバンクの東浜巨投手(35)らが手続きを終えた。12日にFA宣言選手として公示され、13日から全ての球団との交渉が可能となる。DeNAの桑原将志外野手(32)は行使の有無を公にしておらず、最大8選手がFA戦線に名を連ねる可能性がある。楽天の辰己涼介外野手(28)は直訴していたポスティングシステムによるメジャー移籍が球団に認められなかった中で、悩んだ末の決断となった。

 悩んだ末のFA権行使という決断だった。秋季練習に参加し、この日の全メニューを終えた辰己は言葉を選びながら説明した。「考えた結果、行使すると伝えました。総合的に判断して提出しました」。申請期限最終日に決め、あらゆる可能性を探る道を選んだ。

 今オフにはメジャー挑戦を目指して球団にポスティングシステムの申請を要望していたが、現段階でも認められていない。辰己自身かねて「将来的にメジャーに行けるように」と熱い思いを持ち続けており、この日も「そこ(海外)を諦めたとかではなくて、まずは権利を行使してっていうところです」と変わらない気持ちを明かした。

 ただ、楽天への感謝の思いも強い。立命大から18年度ドラフト1位で入団。「外れではあるけど、競合して石井GMに(当たりくじを)引いてもらってから最短でFAを取得できたことを誇りに思うし、そういった自分があるのは関わってくださった皆さんのおかげ」と充実の7年を振り返った。

 今季の推定年俸は非公開だが、獲得には金銭か人的補償を伴うBランクとみられる。今後は12球団OKの姿勢でオファーを待ち、楽天も引き続き残留交渉を進めていく方針。「まず野球がうまくなりたいとか、楽天も含めて必要としてくれるチームがあるかどうか。行使した上で考えたい」。選択肢をさらに広げ、自らの可能性を探っていく。