阪神は11日、近本光司外野手(31)が、今季取得した国内FA権を行使せずに残留すると発表した。契約条件は推定で球団史上…

 阪神は11日、近本光司外野手(31)が、今季取得した国内FA権を行使せずに残留すると発表した。契約条件は推定で球団史上最高となる5年総額25億円。西宮市内の球団事務所で会見した近本は「甲子園で7年間やってきて、ファンの方であったり、その歓声であったり、その中で野球をするっていうことをこれからも続けたい、その中で楽しく野球をしたいと思いました」と決断の理由を語った。

 前日にはジャケット姿で球団施設に姿を見せ、FA宣言の締め切り日となったこの日の午前中からも球団との話し合いが行われていた。残留が決まったことで来季、球団史上初の連覇を目指すチームにとって今オフ最大の朗報となった。

 球団からは「コンスタントに毎年、大きなケガなく安定した成績を残してくれた」と評価されたという。「これから先、引退に近づいてくるので、そういった意味では安定して、常に期待に応えられる選手でいたいなと思います」と力を込める。

 チームメートへの相談は?という問いに「僕の権利だから本当に納得いくところまで。こうした方がいいよとかって言うのは選手それぞれ言ってましたけど、それも踏まえて自分の意志を自分が決めた決断です」と説明。「めちゃくちゃ長かったです」と交渉の経緯も語り、「これから先、あと何年野球ができるかわからないので、その中でモチベーションっていうところを大事に球団へ伝える。球団からもそういうところを話し合って、野球以外でそういうことを考えるのはこれから先、あと何回あるかわからない。いい経験ができたかなと思います」と言う。

 近本は2018年度ドラフト1位で阪神入団。今季は140試合に出場し、打率・279、3本塁打、34打点。32盗塁で4年連続6度目の盗塁王を獲得し、生え抜き最速となる通算1000安打も達成した。通算打率・288を誇り、ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞をそれぞれ4度受賞するなど球界屈指のスター選手に成長を遂げた。

 来季に向けて「楽しく、新しいことに挑戦して。年齢を重ねるにつれて体も変わってくると思うんですけど、それも僕の野球人生だと思いながらいろんなことにチャレンジして。僕は僕らしくやりたいなと思います」と力を込めた。