大リーグ機構は10日、1球単位の投球に賭ける「マイクロベット」に上限200ドル(約3万円)の賭け金制限を設け、複数の賭け…

大リーグ機構は10日、1球単位の投球に賭ける「マイクロベット」に上限200ドル(約3万円)の賭け金制限を設け、複数の賭けに組み込まないことで、野球賭博を行う98%のスポーツ賭博事業社と合意したと発表した。「投球単位の市場(ボールかストライクか、球速が上限・下限を超えるか)は個人の行動で結果が決まり、不正リスクが高い」と理由を説明した。9日にガーディアンズのエマニュエル・クラセ投手(27)ルイス・オルティス投手(26)がこの賭けで八百長を行ったとされ、通信詐欺などの容疑で訴追されていた。

コミッショナーら、関係者の談話は以下の通り。

◆MLBの声明文 メジャーリーグベースボール(MLB)は本日、コミッショナー事務局がスポーツブックパートナーと緊密に連携し、投球単位の市場を制限するための新たな安全策を事前に策定したと発表する。

即時発効として、全てのMLB認定事業社は、投球単位の市場への賭けを200ドルに上限設定し、これらの賭けをパーレイ(複数賭け)の対象から除外する。

米国のベッティング市場の98%以上を占めるスポーツブック運営者を対象に実施される、これらの新しい措置は、競技の公正性に関するリスクを軽減し、規制されたスポーツベッティング市場が提供する、透明性とデータアクセスの利点を維持することを目的としている。

多くのプロップベット(特定要素に対する賭け)は、複数の選手や要因に左右される複数の事象を対象とするため、公正性に対するリスクは限定的である。

しかし、「マイクロベット」と呼ばれる投球単位の市場(例:ボール/ストライク、球速など)は、選手個人の行動だけで結果が決まり、試合結果に直接関係しない単発の出来事に焦点を当てているため、不正リスクが高まる。

この新たな措置は、不正行為に関与する動機に直接対処するものであり、投球単位の市場が抱えるリスクを大幅に軽減する。

この種の賭けに厳格な賭け金上限を設け、パーレイを禁止することで、市場における支払額や新しい制限を回避する手段を減らすことができる。

◆ロブ・マンフレッド・コミッショナー「最高裁判所の決定によりスポーツベッティングが合法化されて以来、MLBは全国の業界関係者および規制当局と継続して協力し、我々の最も重要な優先事項--すなわちファンのために試合の公正性を守ること--を維持してきました。私は、過去数カ月にわたりこの問題においてリーダーシップを発揮したオハイオ州知事デワイン氏を称賛します。また、特に公正性に対して脆弱(ぜいじゃく)な投球単位市場がもたらすリスクに取り組むため、全国的な解決策に協力した業界関係者も称賛します。今後も、認可を受けたスポーツベッティング運営者、選出された公職者、規制当局など、すべての関係者と協力し続け、我々の競技の公正性を常に守ることを目指していきます」

◆MLB公式スポーツブックパートナー・ファンデュエル社の社長、クリスチャン・ジェネツキ氏「合法的なスポーツベッティング産業は、リーグパートナーや我々が事業を行う州との対話と協働を基盤として構築されています。この取り組みは、公正な競争を損ない、我々が愛する競技の公正性を傷つけようとする不正を排除する、合法的かつ規制された市場を築くという我々の揺るぎない姿勢を示すものです」

◆マイク・デワイン・オハイオ州知事「マイクロ-プロップベットの問題に対処するため、この行動を取ったマンフレッド・コミッショナー、メジャーリーグベースボール、そしてそのパートナーを称賛します。マイクロ-プロップベットに大きな賭けを行う能力を制限することで、MLBは試合の公正性を守り、不正な賭博行為に関与する動機を減らすための積極的な措置を取っています。私は他のスポーツリーグにも、MLBの例にならって同様の行動を取ることを強く求めます」