スノーボード男子ハーフパイプで世界選手権銀メダルの平野流佳(INPEX)が11日、海外遠征から羽田空港に帰国し、頂点を…

 スノーボード男子ハーフパイプで世界選手権銀メダルの平野流佳(INPEX)が11日、海外遠征から羽田空港に帰国し、頂点を狙うミラノ・コルティナ五輪のシーズンから初投入する大技2連発の“金ルーティン”に手応えをにじませた。

 合宿では、フロントサイドとキャブの2つのスタンスから、トリプルコーク1440(斜め軸で縦3回転、横4回転する技)を2連発で成功。すでに演技1本の中で組み込める完成度で、3~4発目にこの大技を想定している。「苦戦するかなと思っていたけど、挑戦してから2回目で成功した。フロントサイドもキャブも両方とも高さを出せて、思ったよりうまくいった。(今夏の練習拠点にした)熊谷での成果が出たのかな」とうなずいた。

 五輪でライバルになる世界選手権金メダルのスコット・ジェームズ(オーストラリア)は手の内を隠して練習しているそうだが、平野流は「出し惜しみはしたくない。五輪本番でやるとなった時に、経験がないと不安になる。どんどん打って慣れていきたい」と、実戦で試して完成度を高めていく方針。技の高難度化が進み、トリプルコークを成功させる選手も増えてきたが「(自分は)賭けでトリプルコークをするより、普通にルーティンの中で自信があって打てる技」とプライドをにじませた。

 決勝全てのルーティンで転倒して悔しさを味わった北京五輪。その翌シーズンからW杯種目別総合3連覇を果たし、満を持して五輪に乗り込む。まず照準を合わせるのは、五輪前最後のW杯となる第5戦(1月15~18日、スイス・ラークス)だ。「1番相性がいい(会場)。そこでフルルーティンを組めることができたら」と思い描いた。