「侍ジャパン練習試合、広島11-14日本代表」(10日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎) 広島・新井貴浩監督(48)が…

 「侍ジャパン練習試合、広島11-14日本代表」(10日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎)

 広島・新井貴浩監督(48)が10日、侍ジャパンとの練習試合で躍動した若手野手陣に高評価を与えた。今キャンプ初の対外試合となった一戦でチームは14安打11得点。一線級の投手陣を相手に奮闘した姿を、驚き交じりに称賛した。確かな手応えを日南に持ち帰り、若い力の開花に尽力していく。

 期待以上の姿を存分に示してくれた。トッププレーヤーたちとの対戦で“ヤング赤ヘル打線”が大健闘。新井監督は「正直言って、ちょっとビックリしました」と興奮気味に目を丸くした。

 想像を上回る攻撃になった。初回に4点のビハインドを背負うも、三回に5安打を集めて一挙5得点。一時逆転に成功し、四、五回にも2得点。三塁ベンチは熱気に包まれた。そしてハイライトは5点を追う九回だ。先頭の渡辺が中日・松山に追い込まれながら中前に運んだ。続く代打・前川も中前打。その後1死満塁から育成の名原と田村が連続適時打を放ち、2点をもぎ取った。

 松山は23年以降、広島戦の登板は計28試合。3シーズンで失点はわずかに1で自責点はなく、防御率0・00に抑え込まれていた難敵だった。渡辺は「何とか(したい)と思って、いいところに飛んでくれた。いい投手から捉えられたことを自信にして、もっと成長できるように頑張りたい」と貪欲に誓った。

 球界を代表する投手陣にも、臆することなく堂々と勝負に挑んだ若鯉。指揮官は「捉えた打球もたくさんあった。ちょっとビックリしました。みんな成長しているなと」と笑顔で目尻を下げた。

 満足感を得たのは快音だけではない。チームは今キャンプで1点を取る野球に主眼を置いている。進塁打、エンドラン、走者三塁なら内野ゴロで1点を取るなど、状況に応じた打撃に注力してきた。この日、内野ゴロの間の得点は2回。新井監督は「当てようとしても、技術がないと当たらない。その辺も成長している」と実感を込めた。

 8年ぶりの覇権奪回へ、若手の台頭は欠かせぬ要素でもある。「これを継続して、残りのキャンプを過ごしていきたい」と指揮官。さらなる成長曲線に期待を寄せ、逆襲への下地を作っていく。