「3番中堅」は任せろ! 「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本VS韓国」(15、16日、東京ドーム)に向けた広島と…
「3番中堅」は任せろ! 「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本VS韓国」(15、16日、東京ドーム)に向けた広島との練習試合が10日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎で行われ、侍ジャパンの森下翔太外野手(25)が、今秋チーム1号の特大2ランを放った。「3番中堅」で出場。阪神での本職は右翼だが、ピッチコムを着けての守備もそつなく対応した。今秋の侍初陣から打って守って、来春のWBC本番でのメンバー入りを強烈にアピールした。
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宮崎のファンがどよめく中で、森下は自信たっぷりにバットを突き上げた。
「すごくいい形で打てましたし、角度的にも久しぶりにあんな弾道の高いホームランを打てた。状態としても、いいかなと思いました」
これぞ3番の強烈な一撃だった。1点を勝ち越した5回、なおも2死二塁。広島高の内角141キロ直球を完璧に捉えた。打球はきれいな弧を描き、左翼ポール際深くへ一直線。特大のチーム1号にどよめきはすぐ、歓声と拍手に変わった。
チームに流れをもたらす1発はお手の物。昨年の「プレミア12」の韓国戦でも、緊迫の展開の中、リードを広げる2ランを放った。練習試合なども含めた侍本塁打は5本目だ。「長打だったりホームランは、一気に流れを持ってこられる。ワンチャンスをものにできなかったら、チームが負けてしまう可能性もある。そういうプレッシャーも感じながらやっていきたい」。今季はシーズンでもリーグ2位の23本塁打を放ったが、大舞台になればなるほど、勝負強さが光る。
反省も口をついた。初回は右前打で好機を広げたが、2回無死一、二塁で三ゴロ併殺に倒れた。「チャンスの場面でも回ってきて、打てない時もあった。ああいうところで本選は大事になってくる」。2安打2打点にも満足はしていない。
この日は、本職ではない中堅守備でも堅実さをアピールした。2回は、広島4番渡辺の左中間への大飛球を難なくキャッチ。「多少緊張感もありながらプレーしましたけど、とりあえず無事に役割を全うできたのでよかったです」。守備時に初めて装着したピッチコムにもしっかり適応。「サイン交換が早めに済むタイミングもあったので、両翼に何かしらの形で伝えられたら、もっと全体がいいバランスで動けるかなと思いました」。冷静に分析し、前向きな提案も口にした。
今秋の初陣で強烈な存在感を発揮し、次は15、16日の強化試合韓国戦に臨む。「この実戦も1つのアピール。また韓国戦で、(東京)ドームでいい姿を見せていきたい」。来春のWBC出場へ、打って守ってアピールを続ける。【磯綾乃】