<大相撲九州場所>◇2日目◇10日◇福岡国際センター幕内経験者の人気力士で、西幕下17枚目の炎鵬(31=伊勢ケ浜)が、白…

<大相撲九州場所>◇2日目◇10日◇福岡国際センター

幕内経験者の人気力士で、西幕下17枚目の炎鵬(31=伊勢ケ浜)が、白星発進した。167センチ、100キロの自身よりも、23センチ大きな190センチ、48キロ重い148キロに相手に、1度は土俵際まで押し込まれた。それでも相手の腕をたぐって体勢を入れ替え、下から攻めて逆転の押し出し。「最後まで、あきらめずに取れた。気持ちで持ちこたえた。ちょっと無理かと思ったけど、声援に後押しされた」。取組前から、ずっと続いた大歓声に感謝した。

同じ石川県出身で元小結遠藤の北陣親方が、前日に引退会見した。炎鵬は「小さいころから本当に憧れた方。遠藤関の相撲を、よくマネしたこともあった。一番憧れた方。大相撲でも対戦することができたのは1つの思い出。これから、いろんなことを教えてもらいたい」と、神妙な表情で話した。特別な存在が去ったさみしさを口にしつつ、現役同士だったこれまでにはできなかった、遠藤からの技術指導を期待していた。

首の大ケガで序ノ口まで番付を下げながら、じわじわと関取復帰が近づいてきた。今場所で大勝ちすれば、来場所は再十両が射程圏の幕下5枚目以内が見えてくる。それでも先のことは「考えていられない。死に物狂いで勝ちにいきたい」と、力強く話していた。【高田文太】