今週の日曜日は、東京競馬場でアルゼンチン共和国杯(GII・芝2500m)が行われます。 過去10年のアルゼンチン共和…

 今週の日曜日は、東京競馬場でアルゼンチン共和国杯(GII・芝2500m)が行われます。

 過去10年のアルゼンチン共和国杯では、前走で2500m以下に出走していた馬が8勝2着7回3着11回(23年3着同着あり)となっています。データ対象のアルゼンチン共和国杯はすべて2500mですので、前走で同じ距離に使われている馬はその経験を生かすことで結果を残せていると考えられます。

 また、前走が2400m以下とアルゼンチン共和国杯より短い距離から参戦してきた馬については、距離延長で道中の追走が楽になるので、それが功を奏して結果が出ているのではないでしょうか。

 一方、過去10年のアルゼンチン共和国杯において、前走からの距離短縮馬は35頭が出走し2勝2着3回。好走する可能性はゼロではありませんが、勝率や複勝率などは距離延長馬よりも低くなっています。よって、今年のアルゼンチン共和国杯でも、馬券の中心には距離延長馬を据えた方が的中する可能性が高くなりそうな点は覚えておきたいところです。

 ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。

【条件】
前走札幌芝2600mに出走し4角6番手以下
[0-0-0-8]複勝率0%
該当馬:スティンガーグラス
※特に言及のない限り、データは過過去10年のアルゼンチン共和国杯予想(計10レース)を対象にしています。

 上位人気が予想されるスティンガーグラスが該当しました。

 過去10年のアルゼンチン共和国杯において、前走からの距離短縮馬で特に不振なのが札幌芝2600m組です。ここ10年のアルゼンチン共和国杯では、前走が札幌芝2600nだった馬は28頭が出走し1勝2着2回。馬券に絡んだのは前走4角で5番手以内にいた馬のみとなっています。

 札幌芝2600mは緩いペースになることが多い条件ですので、道中での追走スピードの重要度は低い傾向にあります。しかし、アルゼンチン共和国杯ではレベルの高いメンバーが集まることもあり、道中の追走スピードが重視されますので、前走で札幌芝2600mに使われている馬はその経験を生かすことができないため苦戦する傾向にあるのかもしれません。

 ただ、前走で札幌芝2600mに出走している馬でもその時の4角を5番手以内で通過している馬については、先行力のある馬や道中で俊敏に動ける馬と言えますので、そのような馬であれば東京芝2500mに替わっても対応することができるのでしょう。

 該当馬の1頭として挙げたスティンガーグラスの前走は札幌芝2600mで4角は8番手。過去の傾向を踏まえると人気でも評価を下げたいところです。

 スティンガーグラスの戦績からも不安な要素が浮かび上がります。本馬はこれまでに5勝を挙げていますが、すべてレース上がり35.6秒以上の決着となっています。しかも、勝ち鞍を挙げたのは中山や新潟の内回り、札幌など速い上がりが求められないコースとなっています。

 過去10年のアルゼンチン共和国杯のレース上がりの平均は34.6秒。スティンガーグラスがこれまでに勝ち鞍を挙げたレースよりも速い上がりになることが多い証と言えますので、条件自体も合っていない可能性は十分にありそうです。

 アルゼンチン共和国杯と同じ舞台で行われた今年の目黒記念でも、スティンガーグラスは2番人気で11着と大敗していますし、この条件では人気ほどの信頼はできないタイプと言っても過言ではありません。重賞でも目立った実績を残していない馬でもありますし、ここは人気でも軽視するのが得策と言えるのではないでしょうか。

 重賞レースの参考に、是非お役立てください。