阪神からドラフト4位指名を受けた早瀬朔投手(18)=神村学園=は7日、鹿児島県いちき串木野市内の同校で畑山統括スカウト…

 阪神からドラフト4位指名を受けた早瀬朔投手(18)=神村学園=は7日、鹿児島県いちき串木野市内の同校で畑山統括スカウト、東編成ディレクター、前田スカウトから指名あいさつを受けた。同じ8月生まれで、高校から九州へ野球留学し、高卒でドラフト4位指名を受けるなど、米大リーグのドジャース・山本由伸と共通点が多い。ワールドシリーズMVPに輝いた右腕のような“朔セスストーリー”を目指す。

 早瀬は緊張した面持ちで会見場に現れた。「今やっと実感が湧いてきました」。初々しく柔らかい雰囲気を持つが、問いかけにはっきりと強い思いを口にした。思い描くのは今年、日米で大きな注目を集めた右腕のような活躍だ。

 「山本由伸投手もドラフト4位から始まったって聞いたので、自分もああいうピッチャーになれたらなって」

 ワールドシリーズで3勝を挙げてMVPに輝いた“時の人”とは、共通点が多い。

 ともに8月生まれ。早瀬は兵庫県丹波市出身で、中学を卒業後に鹿児島県の神村学園に入学した。岡山県備前市出身の山本も、中学卒業後に宮崎県の都城高へ。ともに九州で3年間、鍛錬の日々を過ごした。

 都城高の監督だった山本の恩師・森松賢容氏とも縁があった。3年の夏前に延岡学園と練習試合を行い、同校の部長を務める森松氏と話す機会に恵まれた。「ピッチングが大人だね」。太鼓判を押され、驚きながらも「うれしかった」と目尻を下げた。

 そして、ドラフト会議では関西の球団からドラフト4位指名を受けた。ともに高卒でプロの世界に飛び込む。当面の目標は1年目からの活躍だ。山本は1年目の17年8月20日・ロッテ戦でプロ初登板先発を果たしている。早瀬も「とにかく早くっていうのを目標でやっているので。1日でも早く(1軍で)投げたい」と闘志を燃やす。

 ワールドシリーズは授業時間と重なって生観戦はできなかったが、ニュースなどで最後まで見届けたという。メジャートップレベルで活躍する先輩の背中を追うためにも、入団まで体作りに励む。走り込む量を増やすなどすでに練習漬け。毎日、米を中心に6、7食を習慣づけ、体重は2キロ増えて80キロとなった。

 兵庫県出身とあって幼少期から阪神のファン。甲子園の大観衆も“予習”済みだ。藤川監督の現役時代の投球は球場で観戦。高2だった24年夏の甲子園準々決勝・大社戦では、アウェーのような雰囲気の中、好リリーフで勝利に導いた。「応援がすごく熱いので。プラスに変えていきたい」。縁のある球団で成功の物語を描いていく。

 【アラカルト】

 ◆早瀬 朔(はやせ・さく)

 ◆生まれ 2007年8月30日生まれ。兵庫県丹波市出身

 ◆家族構成 父、母、兄

 ◆サイズ 185センチ、79キロ

 ◆血液型 O

 ◆投打 右投げ左打ち。最速151キロ。球種はスライダー、フォーク、チェンジアップ

 ◆球歴 丹波市立東小2年から西脇ワイルドキッズで野球を始め、氷上中では神戸リトル中央シニアに所属。神村学園では2年春夏、3年夏に甲子園に出場し、3年時にU-18W杯の日本代表

 ◆足 50メートル走6秒8

 ◆遠投 110メートル

 ◆趣味 音楽を聴くこと

 ◆好きな音楽 back numberのクリスマスソング

 ◆好きな食べ物 ラーメン