<明治安田J1:東京V1-0新潟>◇18日◇第34節◇味スタ東京ヴェルディがホームでアルビレックス新潟を1-0で下した。…
<明治安田J1:東京V1-0新潟>◇18日◇第34節◇味スタ
東京ヴェルディがホームでアルビレックス新潟を1-0で下した。
前節のベルマーレ湘南戦に続く1-0での連勝となり、勝ち点を42に伸ばし12位に浮上。2シーズン連続のJ1残留が濃厚になった。
決勝点は前半36分だった。DF谷口栄斗が相手パスをインターセプトすると、ボールを前に運び左サイドのMF新井悠太へパス。その大外から駆け上がった左ウイングバックの深沢大輝に渡り、ゴール前へ折り返し。ニアサイドで受けたFW染野唯月が相手選手を背負いながら落とし、ペナルティーエリアへ走り込んだ谷口が左足で蹴り込んだ。
1試合を通じて新潟に押し込まれる時間帯が長く、決定的なピンチに何度も陥った。
中でもFWブーダは危険な存在だった。後半8分には左からのクロスボールからフリーで頭で合わせられたが、シュートは枠外へ。後半13分にも右からのクロスボールをブータにフリーで飛び込まれたが、右足ワンタッチシュートはゴール左へ外れた。
続く後半14分には自陣でのボールロストからピンチを招き、クロスからFWマテウス・モラエスに左足シュートを放たれたが、ここは谷口がブロックして枠外へ。そのCKから再びブーダにフリーでヘディングシュートを浴びたが、ここもゴール上に外れた。入ってもおかしくない場面が連続したが、両チームの勢いの差なのか、スコアに変化は生まれなかった。
結果的に東京Vはシュート4本ながら、9本の新潟に最少スコア差での勝利を挙げた。
殊勲のゴールを決めた谷口は決勝点の場面を振り返り、「悠太がいい動き出しをしてくれたし、大輝も駆け上がってくれたのが良かった。(シュートは)染野の落としが良かったので、それがすべてだと思います。うれしいです」と笑顔を見せた。
一方で守備の面については「セカンドボールの争いで前半はいい戦いができたと思いますけど、後半は情けない内容になった」と反省。ただ34試合で16試合目のクリーンシート(無失点試合)には「すべて積み上げてきたものが表れている」と自信を口にした。
下位チームとの2連戦できっちり2連勝を挙げ、勝ち点6を一気に積み上げた。20チーム制の直近では昨年の降格最上位の磐田が勝ち点38、21年の降格最上位の徳島が36ということも踏まえ、勝ち点40クリアが残留の一つの目安。それが42となったことで、J1残留は濃厚となった。
城福浩監督は「我々が望むようなボール保持率ではないし、展開ではないですけど、ゲームの中で数十分かの自分たちの展開があった中で点が取れたことと、しっかり我慢できたことは良かったです」と総括。
そして「勝たなきゃいけない試合でしっかり勝てたというのは、このクラブがどういう使命でやっているのかというところで、たぐり寄せられた大きな1勝だと思う。彼らを褒めてやりたい」と口にした。
今夏に千田海斗、翁長聖、木村勇大、綱島悠斗ら主力選手が次々と移籍した中、それでも若い選手たちを成長させることでカバーしてきた。特に従来のチームでも主力だった谷口が、さらに目を見張るような存在感を発揮。気持ちを前面煮出して戦うリーダーとしての姿を強くし、チームをけん引している。
城福監督曰く「外から見たら一見ネガティブな現象もむしろエネルギーに変え、変化のトリガーにしている」。まさにその言葉通り、各々の選手が意識を高く持ち続けることで、勝負の懸かったデュエルで次々と勝ち点3を手にしている。