<国内女子ゴルフツアー:富士通レディース>◇第2日◇18日◇千葉・東急セブンハンドレッドC(6697ヤード、パー72)◇…

<国内女子ゴルフツアー:富士通レディース>◇第2日◇18日◇千葉・東急セブンハンドレッドC(6697ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝1800万円)

史上3人目となる異例の優勝へ、プロ2年目の吉沢柚月(21=三菱電機)が首位と2打差の4位と好位置につけた。12位で出て5バーディー、1ボギーの68と4つ伸ばし、通算6アンダー、138。8アンダーで首位の木村彩子、高橋彩華、渡辺彩香とは逆転圏内に浮上した。今大会は当初、出場権がなく現地待機の「ウエーティング」で、内田ことこが欠場し、繰り上げ出場を果たした。繰り上げ出場での優勝は、過去に17年O・サタヤ(タイ)と18年香妻琴乃の2人しかいない。7年ぶりの“下克上V”に挑む。

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いきなりの3連続バーディーで乗った。吉沢は出だしの1番パー5で、長い10メートルのパットを決めてバーディー発進した。2番パー4は、残り140ヤードからの第2打を1メートルへ。難なく伸ばすと、3番パー4は再びグリーン上がさえ、5メートルのパットを決めた。ショットもパットも好調。「出だしがすごい良かったので流れに乗れた」。さらに2バーディーを重ね、一時は2位に浮上した。16番をボギーとしたが、4位は各日の順位としては自己最高。“下克上V”の射程圏につけた。

昨オフのQT(予選会)ランキング48位だった。大部分のレギュラーツアーに出場でき、その中で予選通過が増え、9月のリランキングでは、ほとんどの試合に出場できる32位に上昇。ただ日没が早まり、出場が96人と絞られた今大会は、米ツアー組も出場し、当初は出場権がなかった。それでも毎試合のように体調不良などで欠場は出る。それだけに「地元千葉の試合で出たかったし、出られると思って準備していた」という。13日に正式に出場が決まっても準備万全だった。

ただ、うっかりミスもあった。コース攻略のため、書きためていたヤーデージブックを「たぶん昨日、夕飯を食べた『やよい軒』に忘れちゃって…」と、チキン南蛮定食に舌鼓を打ち、リラックスしているうちに置き忘れたと推測。それでも「かえって思い切りプレーできたかも」と、ハウスキャディーに助言を求め、たくましく順位を上げた。

繰り上げ出場で優勝すればサタヤ、香妻に次いで3人目だ。千葉・麗沢高ではメジャー女王西郷真央の2年後輩。「ショットがダメだった時、一緒に練習場に来てくれた」と、頼りになる先輩と米ツアーで戦うことが夢。夢に近づく下克上Vに挑む。【高田文太】

◆吉沢柚月(よしざわ・ゆづき)2003年(平15)11月23日、千葉・市川市生まれ。9歳からゴルフを始め、中学3年時の18年関東中学校選手権で個人、団体2冠。麗沢高2年時の20年関東高校選手権特別大会で団体優勝。23年11月にプロテスト合格。今季は前週までレギュラーツアー18戦に出場し、予選通過9戦。自己最高は13位で2戦連続記録。年間ポイントのメルセデス・ランキング85位。9月には下部ツアーの山陽新聞レディース優勝。164センチ、57キロ。血液型O。