<セ・CSファイナルステージ:阪神4-0DeNA>◇第3戦◇17日◇甲子園阪神高橋遥人投手(29)が63年ぶりに虎のレジ…
<セ・CSファイナルステージ:阪神4-0DeNA>◇第3戦◇17日◇甲子園
阪神高橋遥人投手(29)が63年ぶりに虎のレジェンドの記録に並んだ。8回1死まで無安打無失点投球の圧巻投球。ポストシーズンでノーヒットノーランという快挙こそならなかったが、プレーオフ、CSの先発で7回1/3無安打投球は阪神では62年の村山実以来の快挙だ。
クライマックスシリーズ5試合目の先発で、初の勝利投手となった左腕は「レギュラーシーズンはよくないことが多かった。今日、監督にも使っていただいて、緊張も不安もあったんですけど、そういうのに自分自身勝てたのは良かったと思います」。自身に厳しい男が、珍しく自画自賛だ。
8回1死で松尾に初安打を浴び、3連打で1死満塁。代打・戸柱が打席に立った。阪神のCS敗退が決まる決勝打を許した相手を、左飛に打ち取った。「去年打たれたのを、今年は(小野寺)暖がよく捕ってくれた」。1年をかけたリベンジだった。
左肘のクリーニング手術、トミー・ジョン手術…と選手生命の危機を何度も手術で乗り越えた。24年11月に「左尺骨短縮術後に対する骨内異物除去術」を受けた。過去の手術で左腕に埋め込まれたプレートを除去する、自身5度目の手術だった。外した物を見た球団トレーナーが、こんな物が入っていたのかと驚いた金属の硬いプレート。異物から解き放たれ、またチームを背負える投手になった。
104球は今季最多投球。「何度も手術もしてるんで、そういうところはまだまだ良くなると思うし、踏ん張れるんじゃないかなと思います」と自身への期待は果てしない。
“高橋遥人”に負けたくない。その思いこそが高橋の原点。投げたら勝つ、と周囲が「必勝」を期待する。無敵のイメージは、村山実以来59年ぶりとなる新人初登板初勝利を挙げた18年4月11日広島戦で生まれた。大投手の快挙をこの日また再現。阪神新時代の伝説を、これから高橋が作る。【堀まどか】
阪神坂本(快投の先発高橋について)「球がすごかったですね。どうやって打つんかな、どうやったら打たれるんかな、というぐらい。捕っていても怖いぐらいのボールを投げていたと思います」