ボクシング元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(30)=志成=が17日、都内で取材に応じた。異例の3戦連続での世界挑戦と…

 ボクシング元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(30)=志成=が17日、都内で取材に応じた。異例の3戦連続での世界挑戦となった7月30日のWBA世界バンタム級タイトルマッチで、王者アントニオ・バルガス(29)=米国=と激闘の末ドロー決着。7年3カ月ぶりの王座返り咲きは逃し「自分の中で負けと一緒。引退します」と現役引退の意向を表明していたが、現在は全く体を動かしていないものの進退保留の状態だといい、「(試合後に)引退するとは言ってるんですけど…。やっぱ練習ってキツいですよね。ぬるま湯につかっている状態なので。(進退は)保留でお願いします」と明言を避けた。

 試合後は地元沖縄で挨拶回りをし、「練習もしてないので、社長になりますと(後援会に)言ってます」と比嘉。ただ、現在もWBA同級2位につけており、一部海外メディアではWBA同級暫定王者ノニト・ドネア(42)=とタイトルマッチで戦う可能性が浮上しているとの報道もあった。それについて比嘉は「宮古島でバカンスしているときに色んな人からLINEが来た。こんな記事があるって。(自分は)聞いてなかった」と明かし、「4回連続(の世界挑戦)はないですよね?(進退は)保留でお願いします」と苦笑いした。

 この日は、WOWOWの番組「エキサイトマッチSP『バルガスvs比嘉大吾』『ロサvs高見亨介』」(20日午後9時放送・配信)の収録に参加し、前戦を初めてフル視聴して自ら解説。先にダウンを奪いながらも、12回に打ち合った末にまさかのダウンを喫してドロー決着となったが、「(敗因は)手数か、接近戦か、もらい方が悪かったか、わからない。難しい」と首をかしげた。今後については「また(現役を)やるんだと思われるんですけど、休養しております。とりあえずウォーキングあたりから始めたいと思います」と語った。

 収録現場では、同興行でWBA世界ライトフライ級王者に輝いた高見亨介(23)=帝拳=も同席したが、これからジムに帰って練習すると聞いた比嘉は「俺も現役だったら帰って練習しないといけない(と思うと)、ホッとしている。キツいな」と実感を込めた。

 ◆比嘉大吾(ひが・だいご)1995年8月9日生まれ。沖縄県出身。宮古工高出。14年6月プロデビュー。17年5月にWBCフライ級王座獲得。18年4月の防衛戦で体重超過し王座を剝奪された。ライセンス停止処分を経て、20年2月に階級を上げて復帰。24年9月のWBO世界バンタム級王座戦では武居由樹(大橋)に惜敗し、25年2月のWBA同級王座戦は堤聖也(角海老宝石)と引き分けて王座奪取はならなかった。右ボクサーファイター。162センチ。