ペナントレース5位の西武は10月中旬の今、本拠地ベルーナドームで1軍の秋季練習を行う。一方で若手は宮崎県内での「フェニッ…
ペナントレース5位の西武は10月中旬の今、本拠地ベルーナドームで1軍の秋季練習を行う。一方で若手は宮崎県内での「フェニックス・リーグ」を戦う。
どちらのメンバーにも入らない選手たちもいる。本拠地隣接のカーミニークフィールドで練習に励む。ドラフト1位でプロ入りした選手たちの姿もある。
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ドラフト会議まで1週間を切った。蛭間拓哉外野手(25)は「タツキも、オセも…」と名前を挙げる。
伊藤樹投手、尾瀬雄大外野手、さらに田和廉投手。自身が早大4年生の時の1年生だ。後輩たちに吉報が届くことを祈る。
後輩たちはきっと大きくなった。自分は。
「身体とかは全然大きく、強くなっていると思います。なのであとは…」
そこが簡単に行かないのがプロ野球の世界で、3年前にドラフト1位指名された蛭間も壁にぶつかってしまっている。
1年目223打席、2年目232打席、3年目の今季は37打席。雄弁だ。
「全然結果も出ていないですし、思うように行っていないのが現状です。良くなるためにいろいろ試しているんですけど、逆に高みを目指そうとしすぎて、自分じゃなくなってしまっている部分が。向上心は大切だと思うんですけど、それに対して体と感覚と頭が一致していないところが多々あるので、そこのコツをつかめれば」
まだ成長過程にある若手ながら、フェニックス・リーグに参加していない。シーズン終盤で足への死球や自打球が重なったが「そこは関係ないです」。球団から純粋に練習による技術アップを求められている、ということだ。
1軍投手に圧倒されているわけではないという。「球が見えてないわけじゃないんです。自分の中ではタイミングが合って振っても、たぶんここらへん(バットを下ろす流れ)がどこか狂っていて、結果的にファウルになってしまったり」と振る動作をしながら話す。田辺3軍野手コーチに右肘の角度を指摘されながら、じっくりと打撃フォームを作っている。
自身の2年前、大卒でドラフト1位入団した渡部健人内野手(26)がこの秋、戦力外通告を受けた。蛭間も当然、そこに感じるものがある。
「自分もドラフト1位でライオンズに入らせてもらって、ライオンズで活躍したい気持ちは強いです。人より評価もされますし、結果が出ないといろいろ言われるのは当たり前だと思うので。他の人よりしっかりやらないといけないなと思っています」
それに。
「ドラ1で入ったからには戦力にならないと。ファンの皆さんの期待にも応えなきゃいけないと思うので、やらなきゃいけないという気持ちは強いです」
本来の蛭間拓哉を取り戻す。探求は続く。【金子真仁】