<セ・CSファイナルステージ:阪神5-3DeNA>◇第2戦◇16日◇甲子園アッパレ! 阪神森下翔太外野手(25)が日本シ…

<セ・CSファイナルステージ:阪神5-3DeNA>◇第2戦◇16日◇甲子園

アッパレ! 阪神森下翔太外野手(25)が日本シリーズへ王手をかけるサヨナラ本塁打を放った。「2025 JERA クライマックスシリーズ セ」のファイナルステージ第2戦のDeNA戦(甲子園)で、3-3で迎えた延長10回、DeNA佐々木から左中間席へ2ランを放った。新人から3年連続のCSアーチは史上初。CS通算4割8分を誇る虎のお祭り男が連夜の大暴れだ。

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甲子園が熱気に包まれた。3時間41分の熱戦にケリをつけた、森下のサヨナラ弾。興奮の渦に包まれた球場内は、もはや大歓声で何も聞こえない。ナインに出迎えられてホームインを果たすと、もみくちゃになりながらウオーターシャワーを浴びた。

「もう、最高に気持ち良かったですし。すごく今日の試合を勝ちきったなという実感が湧きました」

同点の延長10回。先頭の中野が左前打で出塁し、無死一塁の場面だった。前夜に続く対戦となった、DeNA6番手佐々木の初球外角119キロスライダーを強振。引っ張り込んだ打球は放物線を描き、そのまま左中間席に飛び込んだ。「記憶では初めてだったかな」と話すサヨナラ弾だ。

「短期決戦の何が何でも勝つというところで会場の雰囲気も変わるし、得点が取れる。ホームランはすごく重要だなと、CSを通して思っています」

前日15日の第1戦でも、難敵東から中前適時打で決勝点をマーク。連夜のお立ち台に上がり、2日間の打率は7割1分4厘と絶好調だ。これで入団から3年連続でCSでの本塁打をマーク。NPB史上初の快挙となり、この日でCS通算打率も4割8分に上昇。止まらないお祭り男は藤川監督からも「森下、すごいですね」と感嘆された。

この日もとてつもない熱気が注がれた甲子園。まったく物おじを感じさせない初球打ちで、勝負を決めた。東海大相模(神奈川)では1年時から試合に出場し、中大でも1年時から大学日本代表に選出。アマチュア時代から何度も大舞台を経験した男は、かつて緊張についてサッパリと語っていた。

「緊張する場面もあるんですけど。それもしょうがないというか、深く考えても仕方ないので」

どんな場面もまずは自分に集中。できる準備を尽くし、構えを決めてピッチャーと対戦する。頼もしい3番が、この日も自分の打撃を貫いた。

8回の守備では強烈なバックホームで三塁走者生還も阻止。攻守の活躍で、日本シリーズ進出王手に貢献した。お立ち台では「明日勝って決めまーす!」と高らかに宣言。3連勝で日本シリーズの切符をつかむ。【波部俊之介】

▼森下のサヨナラ本塁打で阪神が3勝0敗とし日本シリーズ進出に王手をかけた。ファイナルSでセ、パ両リーグとも無傷の王手は21、22年のヤクルトとオリックスに次いで3度目だ。阪神がCSでサヨナラ勝利は23年ファイナルS<3>戦に次いで2度目で、23年は木浪の右安。ポストシーズンで阪神選手のサヨナラ本塁打は03年日本シリーズ<4>戦金本に次いで2人目。

▼森下はCSで3年連続本塁打。プレーオフ、CSの連続シーズン本塁打は15~19年デスパイネ(ロ→ソ)16~20年中村晃(ソフトバンク)の5年連続が最長だが、新人から3年連続は初めて。<1>、<2>戦とも勝利投手が及川でV打点が森下。プレーオフ、CSの同一シリーズで2戦以上連続V打点は22年ファイナルS<1>、<2>戦杉本(オリックス)以来7人、8度目。2戦連続勝利投手は06年1S<2>、<3>戦柳瀬(ソフトバンク)20年<1>、<2>戦モイネロ(ソフトバンク)に次いで3人目で、2戦連続同一コンビによる「勝利+V打点」は初めてだ。