<秋季高校野球北海道大会:白樺学園1-0士別翔雲>◇16日◇準々決勝◇大和ハウスプレミストドーム白樺学園が士別翔雲に競り…

<秋季高校野球北海道大会:白樺学園1-0士別翔雲>◇16日◇準々決勝◇大和ハウスプレミストドーム

白樺学園が士別翔雲に競り勝ち、秋全道初優勝した19年以来6年ぶりの4強進出を決めた。8回まで両チーム無得点。9回2死二塁、主将の5番・菊島有佑内野手(1年)が右越え適時二塁打を放ち、決勝点を奪った。今秋公式戦16打席目で出た待望の初安打。「ここで自分が1本出さないと、人生かけて1本出さないとって気持ちで打った」と執念の決勝打だった。

悔しさをぶつけた。十勝地区予選から全道2回戦までの3試合で4番に座っていたが、この日は5番に下がった。前夜は宿舎近くの公園で約1時間、自主的にバットを振った。試合中も7回の第3打席で代打を送られる可能性があったが「(監督に)『結果を残すので行かせてください』っていう風にお願いして、何とか」。結果は三振だったが、次の9回での第4打席では自らの判断でバットを指1本分短く持ち、ノーステップに変えて、バットに当てることを意識したのがうまくいった。

1年生ながら1、2年生合わせて42人のチームの主将を務める。亀田直紀監督(38)は「発言力も統率力もある。自分で(主将を)やりたいって言ってやっている。意思を尊重してやらせている。厳しい言葉も言えるし、チームへの愛も強いので、一番適任」と信頼する。「野球になったら学年は関係ない。1個上に言うのはプレッシャーもあるけど、その分結果とか姿勢でついてこさせればいい」と菊島。1年生はメンバー20人中12人で、この日のスタメンも7人が並んだフレッシュなチームを引っ張る。

名前はパドレス・ダルビッシュ有投手(39)が由来で、画数の関係で「有佑」だが読み方は同じだ。

同校は6年前に秋全道の初制覇したが、翌年のセンバツは新型コロナウイルスの影響で中止。出場回数には1と刻まれているが、実際に春の聖地に立つことはできなかった。準決勝では立命館慶祥と対戦する。菊島は「甲子園しか見ていないので、優勝を目指して次も勝ち上がっていきたい」と力を込める。センバツ出場をかなえるために、北海道の頂点まで駆け上がる。【保坂果那】