「ナ・リーグ・優勝決定シリーズ、ブルワーズ1-5ドジャース」(14日、ミルウォーキー) ナ・リーグ優勝決定シリーズ(7…

 「ナ・リーグ・優勝決定シリーズ、ブルワーズ1-5ドジャース」(14日、ミルウォーキー)

 ナ・リーグ優勝決定シリーズ(7回戦制)第2戦が行われ、ドジャースがブルワーズに連勝した。先発の山本由伸投手(27)が111球を投げ、9回3安打1失点で日本投手初のポストシーズン(PS)完投勝利の偉業を達成。大谷翔平投手(31)は「1番・指名打者」で出場し、七回に20打席ぶりの安打となる右前適時打で貴重な追加点を奪って勝利に貢献した。第3戦はロサンゼルスに舞台を移し、16日に行われる。

 右手で小さくガッツポーズをつくって笑みを浮かべた。4点リードの九回。山本は、最後の打者を149キロスプリットで空振り三振に仕留め、敵地を沈黙させた。米移籍後初となる完投勝利。日本投手ではPS史上初の快挙だった。

 「こっちに来て初めてだったので、すごい達成感がありました。チームの勝ちに貢献できた。それが一番うれしかった」

 いきなり出はなをくじかれた。初回。先頭チョウリオへの初球156キロを右中間席へ運ばれた。「すごい悔しかったですけど切り替えていきました」。7月7日の初対戦では同じマウンドで1回を持たずに5失点KO。課題の立ち上がり。不穏な空気が流れたが、ここから違いを見せつける。

 打者の内角を突く攻めの投球。スプリットとカーブを多投する配球で相手の裏をかき、被弾後に許した安打は単打2本だけ。二塁さえ踏ませない圧巻の投球で試合を支配した。

 八回を終わって97球。ブルペンでは左のベシアが準備したが「続投の判断は難しくなかった。投球内容を見て九回も任せるのが最善だと思った」とロバーツ監督。山本は「信頼してもらえるのはうれしいこと。結果でしっかり返せたのがよかった」と言った。

 敵将、マーフィー監督は山本のスプリットを絶賛。「直球と同じ軌道だからストンと落ちる。全く見分けがつかない。本当に見事なもんだよ」と脱帽した。

 山本はこの日の111球を「自分の成長をすごく感じました」と表現し、さらに続けた。「こういった大切な試合を勝っていくことで成長につながればいいなと思います」。2年連続ワールドシリーズ進出まで2勝。さらにレベルアップするための舞台が待っている。