<セ・CSファイナルステージ:阪神2-0DeNA>◇第1戦◇15日◇甲子園阪神近本光司外野手(30)が、自慢の足で東攻略…
<セ・CSファイナルステージ:阪神2-0DeNA>◇第1戦◇15日◇甲子園
阪神近本光司外野手(30)が、自慢の足で東攻略に大きく貢献した。
0-0の6回1死二塁。二塁走者として、3番森下の初球に走った。投球モーションを盗み、虚を突かれた捕手の送球すら許さない完璧な三盗。好機を広げ、直後に森下の中前適時打で先制決勝のホームを踏んだ。東のリズムを崩した“チカの一刺し”は効果てきめんだった。
「勇気が必要でした。盗塁とか走塁は流れが変わるものなので、そういう走塁ができたらいいなと思いながら」
本領を発揮した今季の盗塁王は、その直前の打席も足で魅せた。回の先頭で146キロ速球を捉えた打球は三遊間へ。逆シングルから目いっぱいの送球が一塁へ送られた中、快足を飛ばしてセーフをもぎ取った。先発東は今季7打席で対戦し、無安打に抑え込まれていた。この試合でも初回から2打席凡退していたが、特長を生かす泥臭いヒットでKOへの突破口を開いた。
「先頭で、流れ的にも向こうがどんどん押してる流れだったので。結果的にそれが点につながったのでよかったです」
今季、138試合で「1番中堅」を務め、リーグ制覇を引っ張ったリードオフマン。CSでも自身の出塁から好機を広げる必勝得点パターンで、大きな1勝を呼び込んだ。
「(初戦勝利は)めちゃくちゃでかいと思いますよ。でも、そのでかさは(ステージ)突破してから分かることだし、また明日も試合なので。全員で楽しくやっていけたら」
シーズン通りの戦い方を貫いて、あと2つ勝利を重ねる。【波部俊之介】
▼近本が6回に三盗を決め、CSで通算6盗塁。プレーオフ、CSの通算盗塁は西岡(ロッテ)の12盗塁が最多で、セ・リーグでは荒木(中日)の6盗塁に並ぶ最多タイ。また、CSでの三盗は24年ファイナルS<4>戦の増田大(巨人)以来で、阪神では初めて。日本シリーズでも62年<1>戦の並木だけで、ポストシーズンでは球団63年ぶりだった。
▽阪神筒井外野守備走塁チーフコーチ(近本の三盗に)「あれでちょっと流れ変わったと思うんでね。ああいった準備を、これからも引き続きやります。近本がよく頑張ったなと思います」