<国内女子ゴルフ下部ステップアップ・ツアー:ECCレディース>◇日刊スポーツ後援◇第1日◇15日◇兵庫・北六甲CC東C(…

<国内女子ゴルフ下部ステップアップ・ツアー:ECCレディース>◇日刊スポーツ後援◇第1日◇15日◇兵庫・北六甲CC東C(6502ヤード、パー72)◇賞金総額2000万円(優勝360万円)◇曇り時々晴れ、気温23・8度、北北西の風3・6メートル◇観衆1588人

29歳の新人、上堂薗伽純(かみどうぞの・かすみ、日本ラインGC)が1イーグル、8バーディー、1ダブルボギーの8アンダー、コースレコードに並ぶ64で回って、初の首位でスタートした。昨年9度目のプロテスト挑戦で合格を果たし、待望の下部ツアー初勝利へ前進した。2打差2位に前田羚菜(19)がつけた。

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プロ1年目で初めて首位に立った上堂薗は「素直に今(取材を受けていて)実感が湧いた。回っている時は(リーダーボードを)見ないようにはしていた」と笑い、64は自己ベスト及びコースレコードに並ぶビッグスコアになった。

だが、更新には1打及ばず「悔しい。(後半7番の)ダブルボギー以外は、ほぼ完璧なショットができた」。パーオン率は約89%、パット数26と数字も好調さを証明した。

愛知・栄徳高を卒業後は約10年間、ゴルフ場で研修生を務め、昨年9度目の挑戦でプロテストに合格した苦労人。今季主戦場の下部ツアーはここまで13試合で最高8位、予選落ち6度と初勝利に届いていない。

「自分の中では納得いっていないが、スロースターターと思っているので、良い経験ができている。この先も続けていきたい」

下部の賞金ランキングは現在65位。来季のレギュラーツアーの出場資格を得るには、下部で優勝すれば最終予選会(QT)から出場できる特典がある。

全国の遠征先へ、自動車を運転してくれる母比呂子さんのためにも「自分がゴルフできることに感謝して、稼げるようになりたい」と意気込む。

小牧・長久手の戦いで有名な愛知・長久手市に生まれ育ったが、「上堂薗」という珍しい名字は、父の故郷である鹿児島・南さつま市が由来だという。

同期でプロテストに合格した入谷響(19)、荒木優奈(20)らはレギュラーツアーで即優勝しており「刺激でしかない。私もできると思って、上位を目指しています」と、残り2日間に全力を尽くす。