「ナ・リーグ・優勝決定シリーズ、ブルワーズ1-2ドジャース」(13日、ミルウォーキー) ナ・リーグ優勝決定シリーズ(7…

 「ナ・リーグ・優勝決定シリーズ、ブルワーズ1-2ドジャース」(13日、ミルウォーキー)

 ナ・リーグ優勝決定シリーズ(7回戦制)の第1戦が行われ、ドジャースがブルワーズに辛勝して白星発進した。大谷翔平投手(31)は「1番・指名打者」で出場して2打数無安打3四球。今季ワーストの16打席連続ノーヒットとなったが、九回には申告敬遠で歩いて貴重な追加点をお膳立てした。佐々木朗希投手(23)は2点リードの九回から登板したが、1失点するなどして試合を締めることができなかった。14日の第2戦には山本由伸投手(27)が先発する。

 歩いて大きな追加点をお膳立てした。1-0の九回1死二、三塁の好機。打席に向かう大谷にブ軍ベンチは敬遠四球を申告した。両軍無得点の五回1死二塁の打席に続く、この日2つ目の申告敬遠。表情を変えることなく、静かにバットを置いた背番号「17」がゆっくりと一塁へ向かった。

 敵地スタンドがざわつく中、次打者のベッツがフルカウントから6球目を見送って押し出し四球。満塁策が裏目に出る形となった敵将、マーフィー監督は「難しい決断ではなかった」。フィリーズとの地区シリーズ4試合で打率・056(18打数1安打)、長打なしの不振の状態でも「ショウヘイは最低でも外野フライを打つ危険性があるから」と説明した。

 この日の大谷は初回の打席で四球を選び、3度出塁。連続無安打打席はレギュラーシーズンのワーストを更新する16(4四球含む)となったが、凡退した三回と七回の打席はいずれもボール球を見送り、ストライクゾーンを打った結果だ。試合前に「ボール球に手を出さないこと」と注文をつけていたロバーツ監督は「今夜の翔平の打席の内容は素晴らしかったと思う」と高く評価した。

 試合は先発スネルが8回を10奪三振無四球、無失点の快投。2点リードの九回を任された新守護神・佐々木が失点して崩れたが、37歳ベテランのトライネンが最後を締めて辛勝した。大谷が絡んだ1点が勝敗を左右する結果となった。

 常々、四球の重要性を口にしている大谷。ポストシーズン7試合35打席で2つ目の四球は明るい材料だ。リーグ優勝決定シリーズ初戦を取ったチームのワールドシリーズ進出の確率は69・2%。大谷にとっても、チームにとっても前に進む大きな1勝となった。