<国際親善試合:日本3-2ブラジル>◇14日◇味スタ  ブラジル代表が、まさかの黒星を喫した。アンチェロッティ監督は「日…

<国際親善試合:日本3-2ブラジル>◇14日◇味スタ

 ブラジル代表が、まさかの黒星を喫した。アンチェロッティ監督は「日本は非常に強いチームだった。後半は良いプレーをした。前線にプレスを仕掛けられ、ビルドアップで困難を感じました」と振り返った。

 5-0と大勝した10日の韓国戦から先発6人を入れ替えた。W杯に向けた「実験の機会」と位置付けた中、流れるようなパス交換から前半26分に右DFのP・エンリケが先制点。続けて同32分にFWマルチネリが追加点を挙げた。韓国戦に続く大勝の予感さえ漂った

 しかし後半に状況は一変。日本のハイプレスにDFブルーノが慌て、南野に渡してしまう凡ミス。この1点によってチームは浮足立った。せきを切ったように次々と失点を重ねて逆転を許した。W杯最多5度優勝を誇る「王国」らしからぬ姿。主将のMFカゼミロは「最初の45分は素晴らしかった。それだけに残り45分がなければ。苦い後味を残した」と悔やんだ。

 世界のトップオブトップをそろえながら1つのミスでつまずいた。イタリア人の名将は「日本の勢いを止められなかった。メンタル面で落とした。ミスが影響し姿勢を失った。学ぶべきものがある」と反省した。

 来年のW杯では02年日韓大会以来、6大会ぶりの優勝を狙う。指揮官は「今ミスした方がW杯本番でやるよりいい。良い教訓として受け止める必要がある」とも口にした。かつてブラジルサッカー界では下手な選手は「ジャポネス(日本人)」と揶揄(やゆ)された。その「ジャポネス」に喫した歴史的敗北は心にズシリと重くのしかかる。【佐藤隆志】