<国際親善試合:日本3-2ブラジル>◇14日◇東京・味の素スタジアムW杯優勝の誓いを、王国からの歴史的初勝利で世界に宣言…
<国際親善試合:日本3-2ブラジル>◇14日◇東京・味の素スタジアム
W杯優勝の誓いを、王国からの歴史的初勝利で世界に宣言した。日本代表がブラジル代表に逆転し、14度目の対戦で初勝利を挙げた。2点のビハインドを追いついた後の後半26分、左CKからFW上田綺世(27=フェイエノールト)が頭でたたき込んで、王国から日本史上初となる3点目。今季絶好調のエースストライカーが26年W杯北中米大会での優勝を目指すチームの力が高まっていることを堂々と証明した。
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FW上田がエースの仕事で世界に衝撃を与えた。後半25分にMF伊東からのクロスに打点の高いヘディングでクロスバーをたたき、ブラジルゴールを脅かす。直後の左CKからドンピシャヘッドで待望の逆転弾。日本の攻勢にスタジアムが異様な雰囲気になった中で迎えた歓喜の瞬間に「2-2で終わるのと3-2で勝って終わるのは全然違う。(W杯)本戦だったらなおさらのこと。そういう部分で考えても、勝利に導くゴールを取れたのはうれしい」とうなずいた。
9月の米国遠征では2試合で無得点と得点力不足を懸念されたが、今季オランダリーグで開幕から8戦8発のストライカーが、その実力を見せつけるかのように結果を出した。後半44分に出場した10日パラグアイ戦では終了間際にダイビングヘッドで同点弾。この試合では自らのゴールで決着をつけた。連続弾は、好調だから取れたとは思っていない。
「調子がいいっていう感覚はない。自分がいろいろ準備してやってきたことが今、形になっている。実力としてレベルアップできている感覚がある」
調子の波に左右されない点取り屋が、結果で成長を証明した。今回の活動では「9」だった背番号を、社会人リーグでプレーした憧れの父が背負った「18」に変更。いきなり決めた連続ゴールで、早くも新たなイメージも植え付けた。
日本人8人目のブラジル戦得点者となった上田は、過去2分け11敗と勝てていなかった強敵からの初白星に確かな手応え。26年W杯北中米大会での目標を問われ「もちろん、チームと同じ優勝です」と堂々と宣言。「約束はできないけど、そこ(優勝)を目指すために僕も含めて選手みんな成長しているので、そこを目指せる場所にはいると思う」と話し、サポーターを盛り上げた。
それでも過信にしてはいけないとくぎを刺す。「歴史を新しく作ったのはすごく大事なこと。ただ、僕らはあくまでW杯の優勝を目指している。また次の活動での課題克服とチャレンジ、それの連続だと思う」。ここからも世界一への距離を縮めるための戦いを続けていく。【永田淳】