<国際親善試合:日本3-2ブラジル>◇14日◇味スタ日本代表(FIFAランキング19位)が、ワールドカップ(W杯)優勝最…
<国際親善試合:日本3-2ブラジル>◇14日◇味スタ
日本代表(FIFAランキング19位)が、ワールドカップ(W杯)優勝最多5回を誇る「サッカー王国」ブラジル代表(同6位)を3-2で撃破し、歴史的勝利を挙げた。
前半は2失点。格の違いを見せられたが後半に状況は一変。MF南野拓実(モナコ)、MF中村敬斗(スタッド・ランス)の連続ゴールで追いつくと、同26分にCKからFW上田綺世(27=フェイエノールト)がヘディングシュートをたたき込み、勝ち越しに成功した。89年7月23日の初対戦から36年、過去13試合して2分け11敗と一度も勝利したことがない相手から、ついに初勝利を挙げた。
22年W杯でドイツ、スペインを下した森保一監督率いる日本代表が、再び大物食いをホームでやってのけた。
先発メンバーはGK鈴木彩艶、3バックはDF左から鈴木淳之介、谷口彰悟、渡辺剛、ボランチは鎌田大地と佐野海舟。ウイングバックは右に堂安律、左に中村、シャドーは右に久保建英、左に南野が入り、1トップは上田。現状のベストメンバーがピッチに送り出された。対するブラジルのアンチェッロッティ監督は10日の韓国戦から6人を入れ替えた。注目のエースFWビニシウスは2試合連続でスタメン起用となった。
前半22分、日本が好機を作った。堂安の右からのドリブル進入からニアサイドでクロス受けた南野がシュート。ゴール左へ流れたところ、ファーポスト際で上田が足を伸ばして触ったが、ゴール枠に飛ばせず。ブラジルをヒヤリとさせた。
相手のスイッチが入った。前半26分、右サイドでMFギマランイスがMFパケタとのパス交換からスルーパス。オーバーラップで裏抜けした右DFパウロエンリケがフリーで右からシュートを決められた。
さらに前半32分、ビニシウスのパスを受けたパケタの浮き球パスから左サイドを抜けだしたFWマルチネリに左足でゴールネットを揺らされた。早くも2失点と苦しい展開となった。
日本は前半40分、同41分と久保がペナルティーエリア付近にドリブルで持ち込み倒されたが、ファウル判定はなし。決定機とはならなかった。
2点を追う後半、日本が反撃した。前半のミドルプレスからハイプレスへと切り替え、敵陣深くからボールを追い前でプレーする回数を増やした。
後半5分には鎌田がシュートを狙ったが、ゴール前でブロックされる。得点の香りが漂った。すると直後の後半7分、ブラジルのDFラインのビルドアップを狙い、ボールを奪いにかかる。上田のプレスを受けたブラジルDFブルーノが慌ててパスミス。足元で受けた南野が右足を豪快に振り抜き、1点を返した。
後半9分、左足首に慢性的な痛みを抱える久保からMF伊東純也にチェンジ。すると同17分、堂安の縦パスを受けた伊東が右から正確なクロスボールを送った。ファーサイドへ入った中村が右足ボレーシュート。ゴール前に入った相手DFブルーノはクリアできず、ゴールに飛び込んだ。2-2の同点とした。
さらに押し込み続け、後半25分には伊東のクロスボールから上田がヘディングシュート。ここは相手DFに当たり、クロスバーに阻まれたが、直後のFKを生かした。同26分、左CKから伊東がゴール前へ送ったボールを上田が力強く頭で合わせ、ゴールへとねじ込んだ。4万4920人を記録した味スタは大歓声に包まれた。
終盤、ブラジルはリシャルリソン、ロドリゴ、エステバンら攻撃的な選手を投入。対する日本も引くことなく、前線からボールを追い積極果敢にゴールを狙った。王国相手に気後れすることなく、堂々と渡り合った。そしてタイムアップのホイッスルを聞いた。来年のワールドカップ(W杯)本番まで8カ月。日本代表が歴史的な勝利を挙げた。
【試合後の森保監督の一問一答】
-歴史的初勝利
もう本当に、ホームで我々が成長したこと、努力が勝利につながったことが良かったです。普段だったら(ブラジルの)黄色に染まってしまうスタンドを青色にしていただいて、テレビで見ていた方も念を送ってくださって、我々の選手も頑張ってくれました。
-前半0-2。ハーフタイムの指示は
ボール保持者にプレッシャーいけてなかったので、保持者に対してプレッシャーをしっかりすること、1人1人がもっと強度を上げていくことを意識させました。
-W杯へ
これまで通り、今の力を1歩1歩、さらにレベルアップしていく。W杯ではそんな簡単にいかないと思いますし、ブラジルももっと厳しい戦いをしてくると思いますけど、1歩1歩、やっていきたいと思います。