次世代の有望テニス選手の発掘と支援を目的に創設された「ローランギャロス・ジュニアシリーズ・バイ・ルノー」が15日、東京・…

次世代の有望テニス選手の発掘と支援を目的に創設された「ローランギャロス・ジュニアシリーズ・バイ・ルノー」が15日、東京・世田谷区の第一生命相娯園テニスコートで予選がスタートする(決勝は19日)。大会アンバサダーを務める4大大会通算7勝の元女子世界ランク1位ジャスティーヌ・エナンさん(ベルギー)が14日、都内で取材に応じ「私はローランギャロス(全仏オープンの開催地で大会名)で4度優勝し、ジュニアでも勝った。その経験から得た教訓を伝えたい」と抱負を語った。

同大会は全仏オープンを主催するフランステニス連盟が、アジアテニス連盟、日本テニス協会と協力して開催。アジア各国から選ばれた16歳以下のトップ選手男女各16人が出場し、全仏オープンと同じレッドクレー(赤土)コートで試合を行い、優勝者には来年の全仏オープンジュニア本戦の出場権が与えられる。

2011年に現役を引退したエナンさんは現在、母国ベルギーでアカデミーを主宰して、ユース世代の育成に力を注いでいる。「私が12歳の時にU-14(14歳以下)の山中湖での大会に出場するために1人で初来日したときはすごく不安だったけど、今思うととてもいい経験だった。ジュニアの育成は私のライフワークでもあります」。

全仏オープンの象徴的な本場のレッドクレーコートで試合をして、さらに世界トップレベルのプレーを目に焼き付けることは、これからの競技人生にとって最高の経験になる。その機会を提供するのが今大会の目的でもある。

「私は10歳で初めて全仏オープンを見ました。母を説得して一緒にベルギーから車でパリに行き、モニカ・セレシュとシュテフィ・グラフの女子決勝を観戦しました。試合に圧倒されて、感動して『絶対に決勝のセンターコートに立つよ』と母に誓ったのですが、残念ながら2年後に母は亡くなりました。以降、私の人生の目標は全仏のセンターコートで母に優勝をささげることでした。そして03年に初優勝できました。そこからますますローランギャロスが好きになりました」。エナンさんは最後にとっておきのエピソードを明かした。【首藤正徳】