大相撲の大関経験者で左膝の大けがで長期離脱後、9月の秋場所で関取に復帰した十両朝乃山(31=高砂)が、来年1月の初場所の…
大相撲の大関経験者で左膝の大けがで長期離脱後、9月の秋場所で関取に復帰した十両朝乃山(31=高砂)が、来年1月の初場所の幕内復帰への強い意欲を示した。14日、都内の部屋で、出稽古に来た十両旭海雄ら大島部屋勢、幕下魁郷、魁勝ら浅香山部屋勢と計9番で7勝2敗。前日13日から相撲を取る稽古を再開したといい「9月場所で1年ぶりに十両に戻って、立ち合いはまだまだだった。そこを強化したい」と、3部屋の三段目上位以上の力士による大人数の申し合いでも、精力的に汗を流した。
今年最後の本場所となる九州場所(11月9日初日、福岡国際センター)に向けては「2桁勝利は必ず挙げる。今場所の気持ちをもう1度、11月場所でも。今年最後の場所なので、いい成績を残して、いい年を迎えられたらいいなと思っています」と、明るい表情で語った。西十両13枚目だった秋場所は、十両優勝には届かなかったが12勝3敗の好成績。来場所は十両上位へと番付を上げると想定される。そこで再び、十両優勝争いに加われば、再入幕はグッと近づく。
秋場所の序盤は新十両の西ノ龍に敗れ、十両5場所目の風賢央には勝ったものの、土俵際まで一気に押し込まれるなど、苦しい土俵が続いた。「力は落ちている。力が落ちたら、この年齢になったら戻すことはできない。いかに、頭を使って相撲を取るか、ということになってくるんじゃないですかね。まあ、僕は頭を使って相撲を取るのは下手くそなんで」。大関時代ほど、力がみなぎっているわけではないと自覚していた。技術を生かして白星を重ねる、ベテランならではの勝ち方に移行すべき-。そう、頭では理解しているが、やはり本能のまま、真っ向勝負にこだわりたい思いをにじませた。
「久々に15日間取って、楽しかったですね。来年は、初場所から幕内で取れたら」。2026年の完全復活に向けて、今年最後の九州場所で、一段と強さを取り戻した姿を見せるつもりだ。