さあ、虎のミスター・オクトーバーの出番だ。阪神森下翔太外野手(25)が、DeNAを甲子園に迎えるCSファイナルステージ(…
さあ、虎のミスター・オクトーバーの出番だ。阪神森下翔太外野手(25)が、DeNAを甲子園に迎えるCSファイナルステージ(15日開幕)で歴史に挑戦する。新人年から3年連続でCSで本塁打すれば史上初めて。昨年はDeNAにファーストステージで2連敗を喫したが、森下は1発を含む8打数5安打と爆発した。初戦先発が濃厚なエース東克樹(28)には今季打率5割と好相性。短期決戦の鬼が、勢いづくDeNAに強烈なカウンターパンチをかます。
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甲子園で午後6時過ぎから始まったナイターでのフリー打撃。決戦近しを思わせる独特のムードの中、森下のバットにはじかれた白球が漆黒の空に舞い上がった。勢いを落とさぬまま外野フェンスを次々と襲う。状態の良さを思わせる鋭いスイングだった。
「まあ、普通ですね。今のところは、まだ。ここまでは変化はないです」。決戦は2日後。前日にはCSファイナルステージの相手がDeNAに決まったが、落ち着いて調整に励んでいる様子がうかがえた。
侍ジャパンの井端監督もほれ込む短期決戦での集中力は大きな武器だ。新人だった23年の日本シリーズでは新人記録の7打点。CSに限ると、過去2年で通算18打数7安打の打率3割8分9厘を記録している。23年のファイナル初戦で同点ソロ。昨年のファースト2戦目で先制ソロ。2年連続で、いい場面でアーチをかけてきた。CSでプロ1年目から3年連続アーチとなれば、過去に例がない快挙となる。
初戦の先発が濃厚なエース東には今季6打数3安打。「何回も対戦してイメージはできている。嫌なイメージは少ない」とうなずいた。チームも14勝8敗3分けと得意にしたDeNAだが、逆転サヨナラで巨人を連破した勢いはやはり脅威だ。同じく甲子園に迎えた昨年のファーストステージでは2連敗。あの苦い記憶は全員が共有している。
森下も前日の巨人との激闘をチェックした。警戒心を高めるとともに、やるべきことを再確認した。
「甲子園ならあそこまでのホームラン合戦にはならないので、当たり前のことをしっかりやっていきたい。(CSは)去年負けているので、いいイメージばかりではないけど、やるからには勝たないと。2連勝で多分勢いもあって、去年も日本一まで行った。勢いにのまれないように、堂々とやりたいです」。
臆することも、気負うこともない。横綱らしく、自分たちのスタイルで受け止める。【柏原誠】