◇米国男子◇ベイカレントクラシック Presented by レクサス 最終日(10日)◇横浜CC(神奈川)◇7315…
◇米国男子◇ベイカレントクラシック Presented by レクサス 最終日(10日)◇横浜CC(神奈川)◇7315yd(パー71)◇曇り
比嘉一貴の記憶には9年前の光景が今も鮮明にある。アマチュア時代の2016年、国内ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」。すでにPGAツアーで活躍していた松山英樹と予選ラウンド同組でプレーした。
最終的に2位に7打差をつけて圧勝した東北福祉大OBの先輩のプレーに、「もう、どうやったら勝てるんだろう…」と遠い目をした。プロ転向後もその大きな背中を追い続け、今に至る。一緒の試合に出られるチャンスと見るや、練習で手合わせをお願いし、世界トップレベルとの距離を測る日々。日本開催のPGAツアーもその機会としては絶好だった。
開幕2日前の事前ラウンドの約束を反故にされながら、ともに22位で迎えた最終日に同組に入れた。コースで最大の群衆を引き連れ、2オンに成功した前半4番(パー5)から5連続バーディ。先輩に差をつけ、浴びる声援を次第に大きくした。
「(大多数の)ギャラリーは松山さんを見るだろうと思っていたので、僕はもう淡々とやろうと思っていた。それが大歓声を送ってくれたので、ちゃんと僕のことも見てくれているんだと思って」。後半15番のスタンドはフェアウェイからの2打目をピンそば30cmに突き刺し大盛り上がり。グリーンを狙うショットをともに右手前に外し、連続ボギーにした後半16番(パー3)、17番も「攻めた結果」と割り切れる。
8バーディ、3ボギーの「66」で通算9アンダー18位。松山に1打差をつけただけでなく、「たくさんの人の前で良いプレーができたのは自分を誇らしく感じる部分」だった。
次週の国内メジャー「日本オープン」(栃木・日光CC)の翌週以降は再びアジアンツアーのインターナショナルシリーズ連戦でフィリピン、香港、シンガポールに飛ぶ。「松山さんにきょう勝てたので、少しは近づけたんじゃないか、今までの練習は間違っていないと自信になります」。胸を張り、すぐに「これ(記事)見たら怒られますかね…」とポツリ。「僕が本当に絶好調で、向こうが絶不調で“トントン”みたいなものなので!」。サイン攻めの前の、フォローも忘れなかった。(横浜市保土ヶ谷区/桂川洋一)