「JERA CSセ・ファーストS・第2戦、DeNA6-2巨人」(11日、横浜スタジアム) 元NPB審判員の坂井遼太郎氏…

 「JERA CSセ・ファーストS・第2戦、DeNA6-2巨人」(11日、横浜スタジアム)

 元NPB審判員の坂井遼太郎氏が11日、自身のXに新規投稿。巨人・山崎伊織投手が三回1死一塁の場面で一塁にけん制した際、ボークを取られた場面について解説した。

 坂井氏は「今回の判定は【野球規則6・02(a)(1)】、『投手が、投球動作を途中で変更した場合』に該当します」と指摘。変更と見なされたポイントについては「山崎投手はセットポジションで静止したあと、軸足(右足)の膝を先に曲げてから牽制動作に入っています。この『膝を曲げた動作=投球動作の開始』とみなされるため、その後に一塁へ牽制を行うと、『投球動作からの変更=ボーク』となります」と解説した。

 続けて「投手の膝や上体の動きは、打者・走者・審判のすべてが『投球かどうか』を判断する重要なサインです。そのため、膝が曲がる動きは非常に敏感に見られます。一見わずかな動作の違いでも、ルール上は『投球動作の開始』と判断されることがあります」とした上で、「NPBの審判部では、『投手のクセや過去のボーク傾向』『要注意投手の情報共有』を常に行っています。そのため、今回のケースも『注意すべき投手』として事前に共有されていた可能性があります」と書き込んだ。

 巨人・杉内投手コーチは「正直、何がボークか分からなかった。伊織がボークを取られるのはシーズン中も一回もなかったんで。あれを一発でボークと言われちゃうと、ちょっと厳しい。シーズン中もあるのなら注意のしようもあるが」と困惑。「一発ボークなんでね。もう一回、映像を見ながら確認して。あそこで取るということは、多分どの審判が見てもボークと思うでしょうから。映像を見て確認します」と話した。

 坂井氏は「今回のケースは、非常に小さな動きではありますが、プロレベルになると、走者はそのわずかな動きを見てスタートを切ります。もしこれを見逃してしまうと、不公平な形でアウトになる可能性もあります。だからこそ、審判はこうした微細な動きも見逃さず、ルール通りにジャッジする必要があるのです。この『数センチ・数ミリの世界』を見極めることが、プロの審判として最も神経を使う部分のひとつです!」と結んだ。

 巨人・山崎はボークでピンチを広げ、筒香に適時二塁打を浴びるなど、6回5安打4失点で敗戦投手となった。