日本(FIFAランキング19位)のMF久保建英(24=Rソシエダード)が、ブラジル代表(同6位)との対戦を前に、チームに…
日本(FIFAランキング19位)のMF久保建英(24=Rソシエダード)が、ブラジル代表(同6位)との対戦を前に、チームに合流した。9月から続く左足首痛で10日のパラグアイ(同37位)戦は欠場したが、翌11日に千葉県内で行われた練習では、部分的ながら全体練習に参加。来年のW杯本番を見据えて14日に行われる大事な一戦に出る準備を整えた。会場は19年の東京時代にJラストマッチで2得点を挙げた味スタ。凱旋(がいせん)試合でサッカー王国に立ち向かう。
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小雨が降る肌寒いピッチで、久保は入念にゴールへの道筋を描いていた。全体練習から外れ、個人メニューに入る。松本良一フィジカルコーチと意見交換を重ねながら、右サイドからのカットインシュートや、縦へ抜けだしてのクロスボール。巧みなタッチからの鋭い切り返し、さまざまなパターンを試した。状態に問題は見えなかった。
その懸念について問われた久保は「久々に合流できて良かったと思います。大丈夫な感じでした」。負荷をかけすぎないよう、約1時間ほどで練習を切り上げた。ブラジル戦への出場可否を問われると「そこを目指しているので。あとは明日、明後日でどうなるかじゃないですか」。大風呂敷は広げない。淡々とした受け答えで、けむに巻いた。
22年6月6日に国立でブラジルと対戦した。0-1と敗れた。「ベンチにいたのでよく覚えていない」。それでも3年ぶりの対ブラジルだ。人一倍意欲的であり、野心あふれる久保が燃えないわけはない。前夜は韓国が0-5とコテンパンにやられた。ハイライト動画で確認した久保は「いろんなゴールがあって見ていて面白かった。質の高さの部分に関しては、僕たちがしっかり対抗していくのが大事。あとは安易なミスもなくさないといけない」。淡々とした口ぶりとは裏腹に「ブラジル」というワードに触れると、一気に多弁になった。
味スタも思い出深い。19年6月1日のJ1大分戦で2得点した。その直後にRマドリードへ移籍。以来のプレーだ。「試合を見に行くことはあったけど、ピッチに立つとなれば久しぶり」。加えて敵将アンチェロッティ監督はRマドリード時代の指揮官だ。因縁が重なる。「日本の僕というより、日本がいいチームだよっていうのを覚えて帰ってもらえればいいなと思います」。あれから6年、味のある大人になった久保が味スタに立つ。【佐藤隆志】