◇米国男子◇ベイカレントクラシック Presented by レクサス 3日目(11日)◇横浜CC(神奈川)◇7315…
◇米国男子◇ベイカレントクラシック Presented by レクサス 3日目(11日)◇横浜CC(神奈川)◇7315yd(パー71)
最終18番、金谷拓実はフェアウェイからグリーンに向かって打ち上げるアイアンショットでフィニッシュを決める代わりに「あー」と悔しそうな声を上げた。右サイドのギャラリーロープ際まで大きく曲げる痛恨のミス。傾斜を使ったアプローチも5mほどの距離を残した。そこからねじ込む執念のパーセーブ。力強くこぶしを握った背中に、冷たい雨の中でも見守ったギャラリーから大きな拍手が注がれた。
「(2打目で自分が)ああいうショットを打ってしまったので。パーセーブは難しかったですけど、最後にああやってセーブできたことが、あしたにつながると…信じてます」。2日連続のアンダーパー「70」にまとめる一打が、文字通り未来につながっていくと信じている。通算5アンダー18位でジャンプアップとはいかなくても、今週を含めて残り5試合となったシード争いの真っただ中でひとつでも上に行きたい立場だ。
6番(パー5)までに3バーディを先行した前半は得意のパッティングとショートゲームがさえた。3番(パー3)でスライスラインを読み切ってミドルパットを沈めた。4番(パー5)は直前に同組のコリン・モリカワがイーグルパットを届かせられなかった重めのスピードを打ち切って2連続。6番では2オンを狙ったショットが傾斜で花道にこぼれた後のアプローチが見せ場となった。ピン右手前のマウンドを使い、巧みに寄せてスコアを伸ばした。
タフなインコースも1バーディ、2ボギーと1つ落としながら我慢を重ねたプレー。504ydのパー4となる14番は、2打目で3Wを握ってもエッジまでギリギリ届くかどうかという“ロングホール”をパーでしのいだ。「みんな一緒の条件でやっている。その中でできる(限りの)プレーはできたかな」。米挑戦1年目はもちろん、積極的に海外へ打って出ていた昨年までも飛距離不足に打ちのめされそうになった瞬間ばかり。いまさら、ないものねだりをするつもりもない。
フェデックスカップポイントランキング135位から、大逆転となる100位までのフルシード、101~125位の限定的な出場資格とターゲットははっきりしている。「シード権争いをしている中で、この大会はすごく大事。この大会でいいプレーができるように準備してきた」。一打一打に込める気迫はすさまじい。(横浜市保土ヶ谷区/亀山泰宏)