◇米国男子◇ベイカレントクラシック Presented by レクサス 3日目(11日)◇横浜CC(神奈川)◇7315…
◇米国男子◇ベイカレントクラシック Presented by レクサス 3日目(11日)◇横浜CC(神奈川)◇7315yd(パー71)
10番スタートの“裏街道”を回った米澤蓮が序盤で14番に差し掛かった時は、ちょうど冷たい雨風が最も強まったタイミングだった。3日間を通じて難度1位(平均スコア4.410)のパー4は504ydと長い右ドッグレッグ。どうしても飛距離が落ちる状況で右サイドの邪魔な木まで届かない分、1Wショットは割り切って左に真っすぐ打てた。しかし、2打目は3Wを握っても物理的に不可能な距離。手前から寄せ、3mほどを残したパーパットをねじ込んで耐えた。
12番から2連続バーディ先行の流れをナイスセーブでつなぎ、15番で3つ目のバーディ。18番で唯一のボギーを喫した後、折り返したアウトでも4バーディを積み重ねた。3日目のフィールドベストスコア「65」で通算7アンダー10位。39位から、一気に日本勢最上位へ躍り出た。
昨季はこの横浜CCで開催された「横浜ミナトチャンピオンシップ」を含めて2勝。今シーズンは未勝利でも「あの時(昨年の横浜ミナト)はあんまりドライバーに自信がなかった。今はすごくドライバーに自信がある」と言い切る。昨年優勝したコースとはレイアウトも距離も、開催時期も違う中で自信があるからとむやみに1Wを握らないのもポイント。327ydのパー4となる13番は「(厄介な)バンカーを越えないと思ったので」と手堅く刻んでバーディにつなげた。この日100%(15/15)を記録したフェアウェイキープ率は3日間トータルでも88.89%(40/45)とフィールド1位タイの数字だ。
好フィーリングに甘えない冷静な戦いぶりは、日本開催のPGAツアーに臨む姿勢にも表れる。将来的な米挑戦を目指す米澤は、海外勢が今週どうやって日本のコースに対峙(たいじ)するか興味があったという。「狭いコースでプレースタイルを変えてくるのか、それともいつも通りの自分のプランで行くのか。僕らが日本を出て行った時には、向こうのコースに合わせてプレーしなきゃいけない場面が当然多いわけじゃないですか」
そして感じたのは、「(スタイルを変えずに)結構ドライバーをバンバン打って、曲がったら曲がったところから頑張りゃいいや、みたいなタイプの選手が多かった」ということ。練習ラウンドを一緒に回ったPGAツアーメンバーの久常涼と金谷拓実から学んだ、飛距離にこだわって自分のゲームを壊さない重要性も含め、自分の“軸”をしっかりと持つ覚悟をにじませる。
国内ツアーでは賞金ランキング4位につけており、PGAツアーの予選会(Qスクール)にファイナルステージから出場できる11月25日時点のランク1位も狙えるポジション。「ここに出てみて、自分がどの程度できるのか、足りないのか、それともまあまあ行けそうなのか。これからどういうプランを考えるかっていう意味でも(この試合を)見たいところではあった」。首位と5打差の好位置から臨む最終日のプレーも、チャレンジのタイミングを見極める判断材料に加えるつもりだ。(横浜市保土ヶ谷区/亀山泰宏)