<国内女子ゴルフツアー:スタンレー・レディースホンダ>◇第2日◇11日◇静岡・東名CC(6435ヤード、パー72)◇賞金…

<国内女子ゴルフツアー:スタンレー・レディースホンダ>◇第2日◇11日◇静岡・東名CC(6435ヤード、パー72)◇賞金総額1億2000万円(優勝2160万円)

今季国内ツアー2戦目、7カ月ぶり出場の渋野日向子(26=サントリー)は、予選通過はならなかった。首位と4打差の28位で出て、1バーディー、4ボギーの75と3つ落として回り、通算イーブンパーの144。ホールアウト時点で、通算2アンダーのカットラインには2打足りない63位だった。その後全選手がプレーを終え、50位タイまでの予選通過ラインに届かなかった。

カットラインを1打追って、通算1アンダーで最終18番パー5に臨んだ。だがバーディーがほしい状況で、バンカーに入れるなどして4オン2パットのボギー。7メートルのパーパットが右に切れ、カットラインが1打下がったとしても、予選通過には届かない状況となると、天を仰いだ。

前半から終始笑顔はなかった。大会前には「どうしても向こう(米ツアー)では試合中、笑顔が少なくなってしまう。でも日本に帰ってくると戻る。昔の自分を思い出して取り戻していけたら」と“スマイルシンデレラ”と呼ばれた、はつらつとした元気いっぱいな姿を見せたいと意気込んでいた。渋野は今大会から3週連続で国内ツアーに出場後、主戦場とする米ツアーの来季の出場権をかけた戦いが控える。それだけに、実戦感覚を磨く意味でも、予選落ちだけは回避したい思い詰めたような空気が、ラウンド中も漂っていた。

前半、1番のグリーン上で降り始めた雨が、やや強まってきた2番パー4でボギーが先行した。フェアウエーからの第2打は、打った瞬間右手を離し、右ラフへ。第3打のアプローチは1メートルに寄せながら、下り1メートルのパーパットはカップ左を通過した。

6番パー3では、ティーショットがグリーンを外し、2・5メートル残ったシビアなパットを決める“ナイスパーセーブ”という場面もあった。良い流れになり、直後の7番パー4では第2打を右2メートルにつけ、絶好のバーディーチャンス。だが、これを決められずにパーに終わった。やや上空を見つめながら右手人さし指であごをかき、悔しさを必死に押し殺していた。

心の乱れがプレーに出たのか、伸ばしたいパー5の8番は、ティーショットを大きく左に曲げて林の中に打ち込んだ。レイアップの第2打も、大きすぎて右ラフに入れる悪循環。直前に同組の金沢志奈が、ラフから打って越えられなかった、大きな池があり、午前7時50分スタートにもかかわらず、集まった大勢のギャラリーが、祈るような気持ちで見守る中、池ポチャを回避してフェアウエーに運んだ。その後の第4打が、この日前半、最も大きな歓声を呼んだ。60センチにピタリとつけるスーパーショットで、難なくパーセーブした。

2つボギーが先行した後、14番パー4でこの日唯一のバーディーを奪い、1度はカットライン上に再浮上した。だが終盤の16、18番を落とした。ショックな様子を隠せず、報道陣の取材に応じることもできなかった。関係者を通じてコメントを残すのが精いっぱいだった。

1日を振り返って「ショットがまあまあだった中で、パットが短いのを3回も外してしまったので、けっこうショックでした」とコメント。体調については「全然大丈夫だったので、それが言い訳になる感じではないと思います」と語った。次週の富士通レディースに向けては「修正点はけっこう多いですけど、ショットに関しては前向きにとらえたいし、パッティングがボロボロなんで、パターも新しくしたので、しっかり慣れるように練習したいなと思います」とコメントし、早々にコースを後にした。