「ナ・リーグ・地区シリーズ、ドジャース2-1フィリーズ」(9日、ロサンゼルス) ナ・リーグ地区シリーズ(5回戦制)の第…

 「ナ・リーグ・地区シリーズ、ドジャース2-1フィリーズ」(9日、ロサンゼルス)

 ナ・リーグ地区シリーズ(5回戦制)の第4戦が行われ、ドジャースは延長十一回、2-1でフィリーズにサヨナラ勝ちし、3勝1敗として2年連続のリーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。八回から登板した佐々木朗希投手(23)が3回を無安打無失点に抑える完全投球。勝利への流れを呼び込んだ。大谷翔平投手(31)は4打数無安打だった。カブスは6-0でブルワーズに勝ち、2勝2敗となった。

 青と白に染まった本拠地にスタンディングオベーションが巻き起こった。感無量の表情でベンチから飛び出したロバーツ監督から強く抱きしめられた。チームをサヨナラ勝利に導いた圧巻の36球。「3イニングを抑えられてよかったな、とほっとした気持ちです」。文字通り、守護神と化した23歳が表情を緩めた。

 六回まで両軍無得点の投手戦。投球練習を始めたのは、七回裏にベッツの押し出し四球で同点になった直後だ。

 「試合前にきょうは2イニングあるかもしれないと言われていた。最初に(左の)バンダが準備をしていて、イニング(八回)途中で呼ばれるかと思った。そしたら結構、急に…」

 八回頭からのスクランブル発進。しかも迎えた相手は本塁打と打線の2冠、左打ちのシュワバーだ。「なんとかすぐにスイッチを入れて、試合に挑めた」。ワンボールからド真ん中の159キロ直球で右飛に打ち取ると、続くMVP2回のハーパーをスプリットで三飛。4番ボームはこの日最速162キロで二ゴロに仕留めた。

 わずか8球でメジャー屈指の中軸を手玉に取ると、九回も10球で3人を料理。救援6登板目で初となる回またぎをあっさりクリアすると、指揮官から“追加オーダー”が入った。

 超異例の3イニング目。「体調はよかったですし、特に疲れもなかった」。延長十回も空振り三振を含む三者凡退に封じる快投を披露。指揮官は「私の記憶の中でも屈指のリリーフ登板だった」と絶賛した。

 5月に右肩痛で約4カ月半の長期離脱。9月末、レギュラーシーズン最終週にリリーフとして復帰した。ここまで6登板連続無失点。「技術的なところで信頼できるものが今はある」と言い切り、「徐々に自分らしく投げられていることに喜びを感じます」と話す。

 試合後の祝勝会。あいさつに立ったロバーツ監督は「まず最初に、ロウキを称賛しよう」と切り出すと、選手たちの間から「ロウキに乾杯だ!」との声が上がった。

 「自分のできることでチームに貢献したいと思っていた。今は少しですけど、貢献できて良かったなと思っています」

 チームが連覇に向けて大きな関門を突破した。新守護神がこれからもその剛腕で無双し続ける。