とにかく明るいツバメで再建を進めていく。ヤクルト池山隆寛新監督(59)が10日、都内で就任会見に臨んだ。背筋を伸ばしつつ…
とにかく明るいツバメで再建を進めていく。ヤクルト池山隆寛新監督(59)が10日、都内で就任会見に臨んだ。背筋を伸ばしつつ、何度も白い歯をのぞかせた。「今すぐに強くはならないと思いますが、笑顔は作れると思う。そういったところは言っていきたい」。今季は最下位で3年連続のBクラスに沈み、オフには村上がメジャー挑戦する。厳しい現実を受け止めつつ、笑い飛ばした。
明るいチーム作りを軸に、少しずつ勝てる集団に変えていく。今季まで2軍監督で過ごした6年間、常に雰囲気作りの最前線に立ってきた。打撃練習は自ら打撃投手を務め、試合中はベンチで声を張り上げて選手を鼓舞した。「ヤクルトを元気にするのが2軍から1軍へ来た私の役目だと思う。当然、相手に負けない気持ちは前面に出す」。ポジティブなエネルギーをフルに押し出し、勝負への執着心につなげる。
理想には「打ち勝つ野球」を掲げた。現役時代は通算304本塁打で「ブンブン丸」の愛称で親しまれた新指揮官は「一振りのホームランで点数が入るのは自分も経験している」。主砲の村上が海を渡る中、レギュラー白紙で競争を促す。「一番打つ人が抜け、そういう野球を目指せるかというのは自分の宿題でもある。ダイヤモンドを1回、白紙にしないと、そういう野球はできない」と強調した。対話も重視し、風通しのよい組織作りを心がける。
背番号は88で変わらず、複数年契約で退任した高津監督の後任を託された。球団からの監督打診に「即決」で重責を引き受けた。「上を向くしかない。ヤクルト球団にお世話になったので、今度は恩返しをする番」。段階を踏みながら、愛着深いチームを立て直していく。【上田悠太】
○…池山新監督がポスティングシステムでメジャー挑戦する村上にエールを送った。「(チームの)相当大きな穴。正直、いてほしいですけど…」と本音を吐露した上で「彼の夢を応援するだけ。子供たちの夢も背負っている彼を応援したいという気持ちでいっぱい」と続けた。
▽ヤクルト小川GM(池山新監督へ)「今のヤクルトのチーム状況、選手の状態を知り尽くしているというところで監督要請となった。まずは若い選手を鍛え、戦力の底上げを期待している。足りないところを編成面でバックアップしていく」