<月刊ハマの番長~シーズン5~:第7回>DeNA三浦大輔監督(51)が、舞台裏や思いを語る「月刊ハマの番長~シーズン5~…

<月刊ハマの番長~シーズン5~:第7回>

DeNA三浦大輔監督(51)が、舞台裏や思いを語る「月刊ハマの番長~シーズン5~」。第7回は“有終の美”を飾るべく挑むCSへ向けて。就任5年目を終えてリーグ優勝を果たせず、自ら球団に辞任を申し入れた指揮官。ナインには9月28日広島戦(マツダスタジアム)後、辞任を伝えてCSから2年連続日本シリーズ優勝を目指す決意を表明した。16勝6敗1分けと勢いに乗った9月の戦いぶりとCSを勝ち抜くキーマンを挙げた。【取材・構成=小早川宗一郎】

   ◇   ◇   ◇

自ら球団に辞任を申し入れた三浦監督。就任5年目、4年連続Aクラス入り、今季は2位でCSホーム開催を決めたものの、すでに頭は11日から始まるCSに切り替わっている。

「南場オーナーにも『昨年の景色をもう1度みんなで見ましょう』という言葉をいただきました。『はい、一緒に見に行きましょう』と約束をして、そこに向かって頑張っていきます」

9月は16勝6敗1分け。投打がかみ合って圧倒的な強さを見せた。

「ゴウ(筒香)が夏以降、体のキレが出てきていい状態に戻りました。スイングをかけに行っても止められる。きわどいコースもカットできるようにもなりました。バッティング練習でも投手寄りに立っていろいろ工夫してきたことが今につながっていると思います」

主に3番に座る筒香を支えるのが蝦名、桑原の1、2番コンビだ。ポストシーズンに向けても強力な武器となる。

「ゴウ(筒香)が状態良いからこそ、初回から打席に回る3番に置いていました。その3番に置けるのも、1、2番のエビ(蝦名)、クワ(桑原)の状態がいいからです。エビには『壊れるまで使い続けるぞ』というメッセージは送りました。元々ケガも多い選手でしたけど、試合後のケアやコンディションをしっかり整えたりして、より意識が高まっているなと感じます」

さらに先発ローテーションに加わったドラ1ルーキー竹田祐の力も大きかった。8月中旬のデビューから6戦4勝。

「独特な間というか、踏み出してから半テンポくらいの間を持った投手です。それと投手としての嗅覚があり、ここはボールでいい、ここはストライクを取らないといけない、とか。その辺をかぎ分ける力を持った投手だなと思います。もっと磨いていけば、来シーズン2桁勝利も見えてくると思います」

目立つ部分だけではない。ベンチスタートの選手たちも、1つとなって戦っている。

「トバ(戸柱)が周りを見て声かけをしてくれたりして雰囲気をつくってくれている。柴田もそうですし、京田もそう。三森もカミ(神里)も自分の役割を理解して準備してくれていますし、守備でも足でも良いところを見せてくれています。もちろん全員が試合に出たいという気持ちは当然ですが、その中で出ている選手だけでなく、勝ちたいという気持ちで同じ空気感で戦えているのは、大きいと思います」

CSでの復帰に向けて多くの離脱者が出ているが、あらゆるパターンを想定して組み立てる。

「復帰したパターンとそうではないパターン。制限ありの復帰なのか、いろいろな組み合わせがある。その中でどれがベストなのかを探っていきます」

リーグ優勝という最大の目的は果たせずに辞任を決断した。ただ、まだ振り返る時ではない。2年連続日本シリーズ優勝という次なる目標を果たし、フィナーレを飾る。