パワフルに、たくましくなって帰ってきた。女子ゴルフで、今季は米下部ツアーで1年間“武者修行”していた原英莉花(26=NI…
パワフルに、たくましくなって帰ってきた。女子ゴルフで、今季は米下部ツアーで1年間“武者修行”していた原英莉花(26=NIPPON EXPRESSホールディングス)が、今季初めて国内ツアーに出場する。スタンレー・レディースホンダ開幕を翌日に控えた9日、会場の静岡・東名CCで最終調整。米下部ツアー最終戦から8日に帰国したばかりで、コースを1度も回っていない、ぶっつけ本番で優勝を目指す。
◇ ◇ ◇
173センチの長身に自信が戻り、国内メジャー3勝の大物は、一段と大きくなっていた。8日に帰国。9日はプロアマ戦のため、コースを回ることができなかったが、原は会場に着くとすぐにショット練習へ。さらにパッティング練習場でグリーンの感触を確かめ「これにする!」と、今季最初の国内ツアーで使うパターを決めた。ぶっつけ本番。ギリギリの調整だが、目標を問われると「やっぱり優勝」と、迷いなく答えた。
昨年12月、米ツアー最終予選会に臨んだが突破できなかった。得たのは下部ツアー出場権。この日、原は当時を思い出しながら「年齢的にもラストチャンス。絶対(レギュラーツアーに昇格)しないと、と思っていた」と、背水の陣の決意だったと明かした。この日のプロアマ戦に出場した米ツアーの元第一人者、宮里藍さんも「大変だったと思う。レギュラーツアーほどオペレーション、コースコンディションは良くない。日本でプレーできるのに、あえて武者修行。自信になったと思う」と称賛した。
運転手も務めるマネジャー兼キャディー、トレーナーと3人で「5時間ずっと牧場ということもあった」と、米国の広大さに気がめいるような過酷な移動が当たり前だった。その中でトレーニングに重点を置き、近年落ちていたドライバーの飛距離は「30ヤード伸びた。去年は235ヤードぐらいまで落ちていたので」と“飛ばし屋”復活も果たした。
米下部最終戦から帰国後すぐに師匠の「ジャンボ」こと尾崎将司宅に向かい、年間5位での昇格を報告した。師匠に米国流ハグで祝福され「うれしかった」と力をもらった。過密日程も「全然疲れてない」。たくましくなった原が成長した姿を見せる。【高田文太】